昨日の日経新聞に入江春行先生が与謝野晶子にまつわる事柄を
集めた冊子を編まれているといういきさつが掲載されていました。
入江先生は与謝野晶子の研究者として、
長く活躍されている方です。
もう大変なお歳かと思われますが、
今もなお晶子の足跡を辿り、晶子を慕う人々の声を集めておられると知り、
かつて先生に教わった頼りない生徒として、
昔のことを思い出した次第です。
私が学生の頃のことですから、20年以上前のことです。
土曜日の午後の授業とあって、学生が集まらず、
たった3人で入江先生の講義を受けました。
与謝野晶子研究という内容でしたが、
主に作品研究というより、晶子のことを何も知らない生徒に、
若き頃の晶子の生き方について、
誠実な態度を持って、根気よく、丁寧に講義くださいました。
それはそれはとても熱い語り口で、
与謝野晶子という女性がどれほど才能と叡智と行動力に優れていたかと
いうことを教えてくださったのです。
当方3人の生徒は、ただ聞き入るばかりでしたが、
晶子の生き方については感心させられることが多く、
驚かされました。
学年末にはレポートの発表がありました。
3人の生徒はいい加減にするわけにもいかず、
それなりにレポート作成をしたと記憶していますが、
専門で勉強したわけでもないので、たいしたことはなかったでしょう。
いつも熱く晶子を語っていた入江先生、
不真面目ではないけれど、ぼんやりと授業を受けていた素人学生との時間を
どのように思われていたのでしょうか。
今は懐かしい思い出となりましたが、
入江先生が今もご健在で、変わらず晶子研究をされていることを、
嬉しく思って新聞を読んだのでした。
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