2010年8月19日木曜日

「800番への旅」

「800番への旅」 E.L.カニグズバーグ著 岩波少年文庫

児童小説の姿ではありますが、
大人が読むにふさわしい作品です。

主人公のマックスは中学生、
お金持ちのF.H.マラテスタ一世と再婚した母親が
ハネムーンに出かけている間、
父親のウッドローと一緒に過ごすことになりました。

この父親とラクダ(!)のアーメッドとの3者で
現代アメリカを旅をするのです。

あらすじをばらしてしまいたいくらい
ユニークな事件が次々と起こります。

ユニークな親子との不思議な遭遇、
父親と仲の良いたくましい家族たちとのかかわり、
包容力豊かな女性と過ごすひと時。
日常とすっかりかけ離れた日々を過ごす中で、
マックスは多くのことを悟り、学びます。

会話のテンポの良さと、
シチュエーションの見栄えの良さを、
無駄なく語り継ぐ手際も、
見落としてはいけません。

最後の最後まで読ませてくれます。

問題はアメリカの地理に明るくない読者は
地図を参照にしなければならないってことでしょうか。

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