2012年9月30日日曜日

台風17号 ジェラワットの夜

夜8時過ぎ、今頃は東海地方を縦断しているのでしょうか。
夜中に関東、東北と進んでいきそうです。
避けられないこととはいえ、
そのたびに被害を被る人々がいらして、大変です。

今日は関西も一日中風雨でした。
もう今は静けさが戻ってきています。

先週の疲れもあってか、もうほとんど一日寝っぱなし。
おかげさまで、Sさんの大送別会も盛況に終わり、
次はYちゃんの送別会の準備であります。
こちらはこじんまりとする予定。

仕事面でばたばたした分、電車でも本が読めず、
今週はまったく本を開かない状態でした。
今すごく読みたいのは「ソローニュの森」という本。
写真家の田村尚子さんがフランスの精神科の病院を訪ねた様子が
書かれているようなのですが、
その病院のたたずまいにぐっと惹かれています。
どんなところでどういう治療、生活がなされているのでしょうか。
紹介は以下のHPをご覧ください。
http://book.asahi.com/reviews/column/2012081200020.html?ref=book

ユルスナールの回顧本の第3巻が未だに出ていないので、
それも首を長~くして待っているのです。
いろいろ事情があるのでしょうね。
訳者の堀江敏幸さんについては、
雑誌「ダ・ヴィンチ」で“ホリエ萌え”女子が増えていると話題になっています。
読んでみると、ぷっぷっと笑ってしまいます。

さて、来週に向けて準備を始めることとしましょうか。

2012年9月26日水曜日

フェリシアは四季咲き


つる薔薇のフェリシアはどうやら四季咲きらしく、
次々と蕾を付け、可愛らしい花が咲いてくれます。
写真は生けてあるポットとのバランスが、
いい感じに思えたのです。
このポットはオーストラリアの蜂蜜が入っていました。
一見、骨董みたいに見えますね。

昼間は暑いくらいですが、
朝夕はずいぶん気温が下がります。
夜になるとトレーナーを着こんだりしています。
体調管理が気になる季節になってきましたね。

読書はようやく「ふしぎなキリスト教」を読み終えました。
前半はキリスト教の成り立ちについての内容だったので、
ふーん、と思いながら読んでいたのですが、
後半はキリスト教が基盤となって成り立った西洋社会、
資本主義についての対談で、
だんだんとついて行きにくくなり・・・。
というのは、前半は噛み砕いた語り口だったのです。
後半は読者が現代社会について知識が十分あるとの前提で
話されているようで、疎い読者はちょっと敷居が高かった。
もう一弾、補足編を出してほしいと思うところです。

さて、他には読みかけの本もないことだし、
次は何を読みましょうか。
気持ちはプルーストの5巻目に入りたいけれど、
これにかかると他の本が読めなくなってしまいます。
秋の読書計画にのっとって、
日本の小説を少し読むとしましょうか。

2012年9月23日日曜日

9月の最後に

9月の飛び飛び連休も終わりです。
これだけ休んでしまうと、明日から体力が持つか心配になってきます。

今の職場にやってきて、もうすでに3人のベテランの方が
去っていきました。
明日はYちゃんが異動していきます。
Yちゃんはもう50代後半の男性ですが、
とてもナイーブかつ男らしさも兼ね備える人。
わざわざ話さなくても以心伝心、気持ちがわかってくれる人。
それだけに頼りにしていたのに、寂しい。

月末にはSさんが早期退職されます。
盛大な送別会を予定しています。
幹事なので、ひと踏ん張りせねばなりません。

どうしてみんなあたしをおいて行ってしまうの?

そんな頼りないことを言わずに、
自分のやるべきことを粛々と進めてまいりましょう。

2012年9月22日土曜日

シャルダン展



今東京でシャルダン展が催されています。
http://mimt.jp/chardin/

個人美術館での開催なので、
たぶん地方巡回はないでしょう。

東京という場所でうらやましく思うのは、
美術展と映画上映。
地方には来ない催しがたくさんありますね。

若い頃には、絵画等は現地へ行って観るぞ、とか、
映画はDVDをしこたま買い込んで観るぞ、とか、
とにかく強気でしたが、
今考えるとそんなこといつになったら出来ることやら。

とりあえず、シャルダン展は1月まで開催されているので、
どうにか東京に行くことはできないか・・・と模索中です。

クランチーキャラメルマキアート



なぜだかスターバックスが好き。
最近店内をリニュアルしたお店はさらにシンプルになり、
座席スペースもコンパクトになって、すっきりしています。
大好きなキャラメルマキアートやチャイティーラテを持って、
どこからか時間を練りだして、ゆっくりとするようにしています。
とはいっても1か月に1回くらいですが。

クランチーキャラメルマキアートは秋の顔。
とても甘く、ほろ苦い。

静かに本を読んだり、
スケジュールを確認したり、
今後のプランについて頭をめぐらしたりと、
一人でしたいことがあります。
お家に帰るとリラックスしすぎるので、
外での限られた時間の方がはかどったりすることも。

今計画中のことが軌道に乗ったら、
スタバ・タイムがさらに増えそうな予感です。

2012年9月19日水曜日

プロ野球も終盤です

昔ほどプロ野球は騒がれなくなりましたが、
ここ関西ではやはり阪神タイガースの話題が満載です。
先日は鉄人金本選手の引退のニュースもありました。
阪神が強いと盛り上がるのが関西というところです。

そんな中あまのじゃくの広島カープファンは、
今年はCSに進む可能性があることに、期待を寄せておりました。
が、とにかく打てない。いわゆる貧打。
夏ごろはまだそのような状況の中でも踏ん張っていましたが、
9月に入ると、カードの不運も重なってか(!?)、
連敗が続き、ついに4位に転落してしまいました。

選手たちはみなそこそこがんばっている様子だし、
ピッチャー陣は胸を張れるほどの選手ばかり。
強くなるにはもう一息というところです。
今年の良さを力にして、
来年につなげてほしいと願うばかりです。
野村監督、よろしくね。

ふせん


文房具の中でも特にふせんが好きで、
ちょこちょこと買ってしまっています。
とても気に入ったものは2つ買っておきます。

仕事で使うのは、普通の3Mのふせんで、
それはシンプルで見やすく、使いやすいから。

こちらの可愛いシリーズは、主に手帳に使っています。
持ち歩いて、メモにしたり、
用事を書き込んでおいたり、
買い物の予定(主に本の発行日ですね)などを、
あくまで予定として把握しておけるようにしています。

使い分けというのはなくて、気分で選んでいますが、
縦型のは使いにくいですね。短いですし。
書き込みのできないものは、ほとんど用途なし。
ノートの見出しがわりくらいでしょうか。
それも最近では書き込みのできる見出しふせんがあるので、
そちらの方がいいでしょうね。

手帳に張り込んでおいたものは、
期限が過ぎたり、用事が終わったものからさよなら。
ふせんがたくさん張り込んであるページは要注意です。
なんにもないくらいのページがほんとうは理想です。

2012年9月17日月曜日

紫色のミント


秋に入るとこの紫がかった色のミントが庭を埋め尽くします。
ハーブらしい優しげな色でとてもきれいです。
これは20数年前にブーケとしていただいた中に入っていたのが、
根が出たので、庭に植えると相性がよかったのか、
どんどんと増えたのです。
ミントは根が張るのですぐ増えますが、
これは葉もきれいで、緑に紫が映えて、ほのぼのとします。

昨日と今日は連休でしたが、
何の予定も入れず、ゆっくりとしていました。
お天気は不安定で、昼間はすごく暑いけれど、
夕方の空は秋口の遠い雲。

いつもながらほとんど寝ていたのです。
ちょっとだけ「ふしぎなキリスト教」を読んだり、
新聞やら雑誌やらを切り抜いた大切な書類たちを整理したりしていました。
この書類というか切り抜きをチェックするのは重要な仕事です。
忘れかけていたことや、役に立つノウハウが書かれていたり、
心に残るインタビューがあったり、
見落とした映画評が出てきたりして、とても楽しい時間です。
もちろん素敵なモードの写真も残してあります。うっとり。

今は連休の最後の仕事としてパスタ用のトマトソースを煮込んでいる最中。
これからお鍋の様子を見に行ってきます。

2012年9月16日日曜日

豊祝へ


西大寺のエキナカにある日本酒の蔵元直営の「豊祝」へ、
以前からお世話になっているT課長とご一緒しました。

西大寺のエキナカがちょうど3周年ということで、
すごい賑わいです。
「豊祝」も人の出入りが多く、入れるかどうか心配しましたが、
ちょうど手前の2人コーナーが空いたところで、グッドタイミング。

まず大吟醸で乾杯。
きりりとした切れ味と柔らかな味わいが美味しいです。
やっぱり日本酒が美味しい。

立ち呑みなので、どういうピッチがいいのかわからないまま、
ちびちびと飲み続け、付きだしを頂き、
また一品物もお願いします。

T課長とはしばらくぶりなのですが、
話は最初からトップスピードです。
仕事の話から、個人的な話まで、話題がつきることはありません。
T課長の頭の鋭さとユーモアとで、
盛り上がり、大笑いばかりしていました。
お酒が入るとほんとに心の扉が開くという感じですね。

2杯目は吟醸を頂きました。
こちらはとっても好みの豊かな味わい。
美味しいお酒と楽しい会話に、
時間の過ぎるのがあっという間でした。

お店を出るころには、足元も空を踏んでいるようで、
ふわり、ふわり。
気分もふわり、ふわり、のんきなものです。

とても美味しく、楽しい時間を過ごすことができました。
T課長、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

2012年9月12日水曜日

「カラーひよことコーヒー豆」


「カラーひよことコーヒー豆」 小川洋子著 小学館文庫

しばらく前に小川洋子さんの「人質の朗読会」が出て評判となりましたが、
そのときには“文庫になるまで待とう”と固く誓ったのであります。
ところが、店頭に「最果てアーケード」が並び、
続いて「とにかく散歩いたしましょう」が続くと、
まるで小川さんに“私は次々と書いていますよ、読んでくださいね”と
言われているような気になってきました。

そこへ3年前に単行本で刊行された本が文庫化されて、
小川さん欠乏症になっていた私は大喜びであります。
速攻で読んでしまいました。

そんなに慌てて読むにはもったいなく、
いつもながら小川さんの文章には優しいお人柄がそのまま現れています。

これほどの愛情って感じたことはあるかしらん、
と不思議に感じてしまう自分が問題なのでしょうか。

そしてもう一点は、小川さんが死者のことを常に考えておられるということが、
死者とはあまり接点の無いつもりの自分には不思議です。
小川さんは本文にもあるように背後になにか背負っておられるのでしょう。
きっと死者というか、あの世の人々と心理交流ができるのです。

それでいて、おかしなくらい普通っぽい感覚もお持ちなので、
うーん、霊も取りつく人を選んでいるのかな、と思ったりします。

いやいや、そんなことを言っては失礼でしょう。
小川さんはご自分の世界観をしっかりお持ちですものね。

この本を読んでますます小川さんの作品が読みたくなってきました。
最新作を買ってしまうのも時間の問題かもしれません。

2012年9月9日日曜日

初秋の気配


日中は暑いですが、
夕暮れ時は薄暗くなって、ほどよく風がなびき、
秋らしさを感じるようになりました。
気がついたら蝉も鳴き終わり、
フクロウの夜の声が再び聞こえる時期です。
夏を過ごした後はほっとするというか、
一抹の寂しさを感じるというところでしょうか。

秋に向けて自然と気持を切り替えるようになっています。
秋冬にふさわしい本を読もうということです。
現在はベストセラーになっている「ふしぎなキリスト教」を読んでいます。
当たり前だと思っていたことが実は深い理由があったりすることを知ったり、
目から鱗という話があったりと、興味深々です。
知らないことが多い分、驚かされることも多く、
なかなかスムーズに進みません。
対談形式がとられていますが、聞き手の大澤真幸、説明役の橋爪大三郎の
どちらも知識が深く、困難な課題を噛み砕いて表現されています。
それにまた感心させられ、畏れるほどです。

この入りやすいようで、難しい本を読み終えたら、
またキリスト教について書かれた本を読みたくなることでしょう。
次はどういう方向に向かっていくことになるのか、
自分でも不明です。

プルーストの5巻目も待機していることですし、
季節にぴったりのミステリも準備してあります。
楽しみです。

今日は東京JAZZの最終日で、
ゆっくりとFMで生放送を堪能しました。
ファンクな感じのグループも楽しかったし、
オーソドックスなタイプもよかったし、
ライブへ行くのは苦手だけど、オーディエンスとの一体感が感じられて、
生き生きとした演奏が聴けるのはとっても楽しいですね。

2012年9月5日水曜日

白磁を飾る青~東洋陶磁美術館へ



大阪市立東洋陶磁美術館へ出かけてきました。
今、「白磁を飾る青」と題して朝鮮時代の青花白磁展が開催されています。

こちらは大阪市の中央に位置する中の島にあり、
こじんまりとした静かなたたずまいの美術館です。
とても好きなところで、若い頃から度々訪れていますが、
このたびは久々とあって、わくわく、胸が高まります。

企画展は上記のように朝鮮の青花が40点ほど展示されていました。
同じ青花でも朝鮮のものは、中国のものと比べて柔らかな姿をし、
さりげない筆致で描かれているように思われます。
そして、古伊万里に通じるところがあるような気がしました。
とても親しみやすい感じです。

青花白磁は青磁や白磁など数多くある陶磁器の中で、
最も惹かれます。
今回もポスターを見て速攻行くことに決めました。
このポスターがなかなかお洒落だったのです。

この企画展をじっくり眺めてから、常設展へ移動します。
そこには、大好きな朝鮮青磁の水滴が2体あるのです。
可愛い童子の姿をしたこの水滴を観るのが楽しみの一つです。

他、大振りの中国青花白磁、青磁などに圧倒されたり、
日本の各地の焼き物をじっくり眺めたり(乾山等もあります)、
国宝の油滴天目茶碗をしげしげと見つめたりして、
(曜変天目茶碗のように内側に宇宙は見つかりませんでした。)
ひととおりぐるりと回って終了であります。

なぜ陶器が好きなのかよく自分でもわかりませんが、
なんだか充実した気分になるのです。
丁寧に作られたものは、自然とその良さがわかります。
とはいえ、ほとんどは好みと感覚で観ているのですが。

絵画の美術展に行くのとはまた違った楽しみ方ができたように思えます。
青花のなじみ深い感じがよかったのでしょうか。

2012年9月2日日曜日

ロバート・グラスパー・エクスペリメント「ブラック・レディオ」


ここしばらくのお気に入りは
Robert Glasper Experimentの「BLACK RADIO」です。
とくに “ Afro Blue (Feat. Erykah Badu)”が素敵。
柔らかなボーカルがリズムに乗せて優しく歌い、
ラストでフルートが囁くところなどはとても美しい。
ぜひ聴いてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=3-0JZlrk4xA&feature=related

最近ではマイルスやブラッド・メルドーくらいしか聴きませんが、
ジャズというジャンルは実に多様でソウルフルで自由で、
心がのびのびとします。

前述のフルートを聴いていたら、
エリック・ドルフィーが聴きたくなってきました。

ずいぶん前に名盤といわれる作品を色々と聴いてみたことがあります。
でもそれはまだまだあまっちょろい時分のこと。
今くらいのおばさんになったら、
もう少し味わい深いところが楽しめるように思い、
またオーソドックスなところから聴いてみようかな、と考えています。

「プルーストを読む」


「プルーストを読む」 鈴木道彦著 集英社新書

この本の副題は“『失われた時を求めて』の世界”とあります。
内容は目次を挙げてみてみましょう。

第一章 プルーストの位置
第二章 虚構の自伝
第三章 初めにコンブレーありき
第四章 憧れのゲルマント公爵夫人または想像力と知覚
第五章 フォーブル・サン=ジェルマン
第六章 社交界とスノブたち
第七章 スワンまたは世紀末のユダヤ人
第八章 シャルリュス男爵または孤高の倒錯者
第九章 アルベルチーヌまたは不可能な愛
第十章 芸術の創造と魂の交流
終章 読書について

目次に目をとおしていただくと、すっかりお分かりかと思います。
プルーストの研究者にして、訳者がプルーストを未読である人にも
わかりやすく、この作品についてすっかりポイントを絞って、
解説されているのです。

第七章くらいまでは、これまでの読書を通じて、
“あのことを指しているのだなぁ”と思い出されますし、
プルーストの懇切丁寧な筆致からも、
思わせぶりだったことを察知することができます。

この目次に挙げられることは、其々が独立しているわけではなく、
この本全体に通底していることなので、
大きく取り上げてもこれだけのテーマが盛り込まれているというわけです。
それだけに読むことが難しくもあり、読み応えがあるともいえるでしょう。

プルーストの生きた19世紀末から20世紀初頭のパリを中心に書かれた
作品ですから、この時代に馴染めない人もおられるかもしれません。
しかし、この作品を読めばわかるのですが、
少なくとも人間を描くことと、芸術の在り方や社会の在り様については、
これほど普遍性を含んだ大作はなかなかお目にかかることはできないと、
現代に生きる私も圧倒されながらページを繰っています。

筋が逸れてしまいましたが、この鈴木さんの本は、
単なる入門編には終わっていません。
その普遍性がいかに描かれているかを説明されています。
ちょっとした手品のように上手く表現されているので、
これはこの「プルーストを読む」を読んでいただいて、
プルーストを読むことの充実性が、読書そのものに直結していることを、
知ることができるでしょう。

このような良い手引きの本があるからこそ、なおさら読書が楽しみになります。
難しい批評や解読はプロにお願いしているようなものです。