2010年4月30日金曜日

本日は営業

今日はお仕事。
とても忙しかったです。
明日もお仕事。
じっくりと取り組めますように。

長い休みの間に観ようと思い、
DVDを借りてきました。
うふうふ、楽しみ。
CDも借りました。
でもi-tunesが無いのでした。
MDを買わなくちゃ。

2010年4月29日木曜日

今日の収穫

長い間ほったらかしだったファイルBOX。
大半はわかりきった書類が中心でたいしたことはないのですが、
中に一つ、本とアート関係の個人的に最も重要なファイルがあります。

気になる人物や本、作品に関する切り抜きが
ざくざく入っていて、
思いがけないものも出てきたりします。
これらを掘り出すのが嬉しい時間。

今日はすっかり記憶のどこか隠れていたものを発見しました。

岩崎力さんによるユルスナールに関する思い出。
“敬虔な思い出たち、マルグリット・ユルスナール”
「ふらんす」に12回にわたって連載されたものです。

貴重な資料です。
何時の連載だったのか、すっかり忘れていました。
目を通してみると、読んだ記憶がありません。
きっといつか必要になるだろうと、思ってとっておいたのでしょう。
よかった、今日からこれは宝物です。

2010年4月28日水曜日

一足お先にGW

今日から嬉しいゴールデン・ウィーク!
間に3日間出社しますが、
後はゆっくりさせていただきます。

お天気も続くようで、
気分も明るく、気持ちがよいですね。

お仕事の人は人出が多くて大変でしょう。

この休みの間には、
読みかけの「ヴァレリー」を読了すること、
聖書の特集の「考える人」を少しずつ読むこと、
読み終えた「夢の貨幣」の振り返りをすること、
楽しく進めている“作業”を続けること、
何年もほったらかしにしている資料のファイルを整理すること、
本棚の整理をさらに思い切ってすること、
丁寧に掃除すること、
母の日のためのお出かけもあるし、
やりたいこと満載です。

フランスみたいに2週間のヴァカンスが
あるといいのにな。
何にも考えずに、何もしない・・・
頭と体のリフレッシュが大切だと思います。

2010年4月27日火曜日

しびしび

外に出てみて、霧雨が降っていたら、何と言いますか?

「雨がしょぼしょぼ降ってるよ」
「さらさらと雨が降っているよ」

あっさりと、
「霧雨だよ」

なんて思っていたのですが、
今日は思いがけない言葉を聞きました。

「雨が降ってるで」
「しびしびか?」

なんだ?その“しびしび”は?

奈良弁で霧雨のことだそうです。
アクセントは頭の“し”には付きません。
次の“し”にきます。

“しびしび”、なんだか風情があるなぁ。

2010年4月26日月曜日

奈良をくねくね

奈良県北部を西から東へ。
くねくねと車に乗りました。

広い道路を通れば、
郊外によく見られる大型スーパー、大型ドラッグストア、
広い駐車場のあるラーメン屋さんに、本屋さん等々。

新緑の美しい矢田丘陵を抜け、
広々とした河原沿いをぐんぐんと飛ばします。

法隆寺の参道前を確認。

しばらくすると、
大きな工場が立ち並ぶ町へ。

そこを抜けると、
またまた川沿いになり、
今度は大きな畑が広がっています。
際には若葉が伸びてきたイチヂクの木がまばらに。

細い道には、
古びた商店や、昔ながらのお屋敷や蔵があったりして、
1時間弱の時間ずっときょろきょろとして、
楽しんでいました。

これらは奈良県北部の景色で、
遥か遠くの南へ行くと山ばかりだと聞き、
そのコントラストが可笑しかったです。

奈良の風景を一気に見ることができました。
運転してくださった方にお礼申し上げます。

2010年4月25日日曜日

カモミール

庭のカモミールが咲き出しました。
白くて可愛い。
香りもいい。
陽がよくあたるところでは、
茎が太く、葉も茂っています。
ハーブ類を目にすると、
気持ちが豊かになるような気がします。

カモミールのエッセンシャルオイルの香りも大好きです。
ゆったりしたいとき、
疲れをとって、深い眠りにつきたいときに、
愛用してします。
甘い香りにうっとり。

お茶も自然な飲み口で美味しいですね。
毎日昼食後にいただきます。
銘柄にこだわりはないのですが、
きっともっと美味しいものがあるだろうと、
にらんでいます。

庭に咲いているのはわずかなので、
お茶にできるほどはありません。
風にゆられてさわさわとしている様子を眺めています。

2010年4月24日土曜日

気になる「ブルー・セーター」

本屋さんで、店員さんに調べ物をしてもらっていました。
待っていた場所は“国際社会関係”の本棚の前。

目の前にある「ブルー・セーター」という本が気になりだして、
手にとってみました。

とても読みやすそうなドキュメンタリーのようです。
どこかで聞いたことがあると考えてみたら、
確か読売新聞の書評で目に留まったのでした。

読んでおくべきか、否か。
社会貢献と社会レポートのジャンルは、
大変関心はあるのですが、
力不足と行動力欠如により、
長い距離をおいてしまっています。

今回は購入せずに“考慮”してみることにしました。
帰宅して調べてみると、以下のような紹介がありました。

 “世界が注目する社会起業家、貧困と闘うベンチャーキャピタル「アキュメン・ファンド」CEOの
  渾身の力作。
  世界には40億人もの貧困層の人々がいる―人類が抱える最大の課題ともいうべき
  「貧困」を解消するため、革新的な方法で取り組んでいる女性がいます。 ...”

社会における諸問題、
国際社会以外にも日本国内にも課題は山積しています。
そういう問題にいつの日かアプローチができればと、
夢のように考えています。
夢というだけに、あやふやな、形にならないものです。
それだけに社会人として、基礎知識は必要となるでしょう。
どこから手をつければよいのか、これもまた見えない状態です。
自分の内側と相談して、最も自分に実現可能な路線を決めなくてはならないでしょう。

「ブルー・セーター」を読んで、
少しでも発奮材料とすべきかどうか、悩んでいます。

2010年4月23日金曜日

難題

普天間米軍基地の移設について、
誰もが納得できる解決が見出せない状態です。

高速道路の料金も問題になっています。

個人献金の責任問題もうやむやです。

アイスランドの火山噴火も未だ続いて、
飛行以外の問題も起こりそうです。

地震も各地で続いて発生しています。

タイの政治デモも波乱状態です。

自分のことだけでも、
問題だらけなのに、
世の中はもっと大変だ。

2010年4月22日木曜日

「kikUUiki」でダンス

サカナクション「kikUUiki」で踊っています。

窓ガラスに写った姿はどうみても“タコ踊り”。
運動神経が鈍いのは悲しいけれど、
ついつい身体が動き出すのです。
こんなことって滅多にない。

すっかりサカナクションがお気に入り。
「シンシロ」も聴いてみようと
企んでいます。

藍色の音です。

2010年4月21日水曜日

“JustGiving”

偶然ネットで発見した“JustGiving”。
一体何でしょうか?

HPを調べてみると、
 “JustGivingとは、あなたが主催者となるチャリティ・プロジェクトです。
  まず、あなたが日頃抱いている「何とかしたい」という思いを、
  「チャレンジ」というカタチに変えて、社会に発信してください。
   そのチャレンジに共感した人が、「寄付」というカタチで応援してくれます。
   チャレンジの内容はもちろん、支援先団体も、あなたが選択。”

これだけではわかりにくいですね。
“WEB GOETHE”に元プロ野球選手の古田敦也さんが、
この“JustGiving”に参加して、プロジェクトを立ち上げている様子が
掲載されています。
これを読むと、この活動の概要を知ることができます。

チャレンジャーが何かの目標を立て、
一般から寄付を募ります。
その目標を達成すると、
チャレンジャーが定めた寄付先へ、
一般から集められた寄付金を納める。
という仕組みのようです。

大きな目標を立てている人もいるようですし、
子供ができる小さな目標でもいいようです。
チャレンジャーだけでなく、
一般の人も寄付を通じて社会に貢献することが
できるのですね。

ネットならではの
すごいアイデアだと関心しました。

できることはないかとちょっと考えてみましょう。

2010年4月20日火曜日

「少女の肖像」

昔々、「少女の肖像」という本がありました。
小学校の木造の図書室の隅に、
ひっそりと並べてありました。
確か3巻まであったかと思います。

有名な女の人の少女時代を描いた短い読み物が
集められた内容でした。

読んだのは低学年だったので、
記憶はあいまいとなっていますが、
伝記物の面白さを教えてくれた大切な本です。

当時すでに赤茶けていたので、
ずいぶん古い出版だと思われます。

きっと小さい子が読めるような大きな字で、
とっても短い文章だったのでしょう。
いくつか挿絵もあったはずです。

今もかわらず伝記や自伝を読むのがとても好き。
日経新聞の「私の履歴書」も日々の楽しみです。

それはいつも“真意”を知りたいという欲求から生まれているのでした。

2010年4月19日月曜日

「アルゴールの城にて」

「アルゴールの城にて」 ジュリアン・グラック著 安藤元雄訳 白水uブックス

「シルトの岸辺」でジュリアン・グラックを堪能したので、
続いて読んだのが「アルゴール」。

ブルターニュの森の中、アルゴールに佇む城。
主人公アルベールとその友人エルミニアンと、
連れの美女ハイデ。

ストーリーはさほど重要ではないように思われます。
というのも、ここではアルゴールという場所に魔力が潜み、
登場人物の3人もおよそ人間的ではないのです。

嵐のようにドラマティックで、神秘的ともいえる情景には、
恐れさえ感じます。

意味ありげな表現が連なり、意図的に劇的な描写は、
緊張感を孕み、
小説というより、散文詩かのようです。

以上のような印象を受けて、
この小説が象徴しているものをしばらく考えていました。
3人の人物は逃れることのできない宿命を背負い、
この小説の中に封じ込められている、
そしてこの舞台には森の中のアルゴールこそ相応しい・・・

なんて素人が感想をぶつぶつと述べるより、
訳者によるあとがきを読んでいただくほうがずっといいですね。

この作品でさらに、
ジュリアン・グラックを読んでみたくなりました。
ただ、ヨーロッパについての歴史や文化に関する素養があれば、
もっと味わえるように思います。
課題山積だなぁ。

2010年4月18日日曜日

「シルトの岸辺」

「シルトの岸辺」 ジュリアン・グラック著 安藤元雄訳 ちくま文庫

中世イタリアの都市国家を思わせる共和国オルセンナ。
敵国のファルゲスタンとは海を隔てて、
もう300年も対峙している。

主人公アルドーは僻地シルトの海岸へ、
監察将校として赴任する。

物語はアルドーの視点から、
夢うつつと緊張感の織り交じった
オルセンナと前線であるシルトが
描かれます。

まるで眠っているかのように思える状態なのですが、
少しずつ時間は動いています。
見えないものをその手で確かめようとするうち、
アルドーはその眠っているような見えないものの感触を知り、
オルセンナの行く末を悟ることになります。

この物語の特徴は独特の文体にあるでしょう。
訳者はあとがきでこう述べています。
 “比喩に比喩を重ねて多層的なイマージュを生み出しながら、
  中世的な古めかしさやバロック的な華やかさを併せもち、
  しかも決して読者に馴れ馴れしい態度を許さないだけの
  格調をもつ文体である。”

じわりじわりとこの物語に引き込まれて、
オルセンナとシルトに生きているような気分に
なっていきます。
グラッグが構築する、
なんとも例えようの無い世界。
言葉だけで、未知の世界を作り上げることの凄さ。
小説家としての見事な仕事だと、
ため息をつきました。

2010年4月17日土曜日

がんばれCarp

野球シーズンが始まって、
今までにないほどのCarpの低迷ぶりに、
悲しい思いをしています。

今日は昨日に続いて、
サヨナラ勝ちであります。
それも強敵中日にです。
勝つことはこんなに嬉しいものなのですね。

先発ピッチャー陣が苦しいので、
打撃や走塁、守備で取りこぼしの無いように、
堅実にがんばってほしいのであります。

戦力的に厳しいことは明白です。
首位を走るチームの試合を見ていると、
その意欲、集中力、瞬発力、破壊力が底力としてあるので、
試合運びも見事な展開で、
見ごたえがあります。

秋まで長丁場のシーズンです。
ファンはいつだって応援しています。
モチベーションを維持して、
プロらしい内容の試合を見せてください。

2010年4月16日金曜日

羽山料理店

美味しいものをよばれるのは、
本当に幸せ気分。
先日、大阪市内の大きな公園を
ガラス越しに眺めることのできる
小さなビストロへ出かけました。

まずパテ・ド・カンパーニュ、
これまで食べた中で一番好きなお味。
添えられたピクルスもいいお酢加減。

続いて旬の筍とグリンピースのソテー。
パセリと思われるグリーンソースと、
フレッシュチーズがまろやかに溶け合います。
野菜も歯ざわりとコクが美味しい。

それから太い太いホワイトアスパラガスに
オランデーズソースの組み合わせ。
ふわふわと口当たりがよく
味はしっかりめのソースと、
新鮮なアスパラガス、マリアージュです。

続いてメインの鴨のコンフィ。
パリパリに焼き上げられた表面も味わい深く、
身もしっかりしたお味。
名前を忘れてしまいましたが、
ジャガイモのグラタンが味を引き立てます。

そしてフィニッシュに羊と野菜のシチューを
クスクスにかけていただきます。
スパイシーなシチューは羊の柔らかみと馴染みあい、
クスクスとよく合います。

赤のワインを飲んでいましたが、
食事の美味しさに勢いづいて、
追加してしまいそうになりました。
ぐっと我慢。

どの料理も塩味がきっちりと締めていて、
そして素材の風味が生かされた、
納得の美味しさでした。

お店の気取らない雰囲気も心地よく、
とっても満足したのでした。

お店の名前は“羽山料理店”。
人気のお店のようです。

2010年4月15日木曜日

久しぶりの読書

ここ2週間持ち歩いて、
ようやく「夢の貨幣」を読み始めました。
これがユルスナールの作品で未読だった最後の邦訳作品。
どうして2週間も読んでいなかったのか、
わかりません。

その間には「ムーミン・コミックス№3ムーミン、海へ行く」を
ふむふむと楽しんだり、
「考える人」をチェックしたり、
須賀敦子さんの本をぱらぱら読んだりはしていたのですが、
集中して活字に触れないでいました。
あらあら。

「夢の貨幣」を読み始めると、
ユルスナールの紡ぎだす世界に“とぷん”とはまりました。
しばらく堪能したいと思います。

2010年4月14日水曜日

“Billet”

神戸にあるカフェ&ショップの“トリトンカフェ”が
季刊で出している小さな本が“Billet”です。

とっても薄くて小さいけれど、
内容充実、写真も素敵な冊子です。

よく手に取るのはvol.4、
“メゾン ゴッドナルスキー”をプロデュースしている
ダニエル・ジャジアックさんの特集号。

ジャジアックさんのことを始めて知りましたが、
古いものと手作りのものをミックスさせて、
馴染ませながら新しい感覚のものを
作り上げている人のようです。
一つ一つのことを大切にしながら、
自分でクリエイトする生活を
楽しまれているようにお見受けしました。
クリエイトするものは個人によって異なりますが、
その丁寧な仕事ぶりは、
理想のもの。

“Billet”というのは“切符”の意。
新しいことを知るための切符となりました。

この“Billet”、最近見かけることがないので、
心配です。
今も継続されているのでしょうか。
“Billet”のオンラインショップはありますが、
冊子の方に関心があるのです。

2010年4月13日火曜日

ファイリングが楽しい

4月になって、
仕事も新しいシーズンが始まりました。

この時期の楽しい仕事の一つはファイリング。

今の部署に異動してきて、
一年間は様子をみることにして、
ファイル関係はそのままにしていました。
担当の仕事の棚を覗いてみると、
いろんなファイルが出てきます。

これは、長期保存の紙ファイルに綴じて、
これは、新しいパイプファイルを作って、
こっちは、ファイルを作りなおして、
ええと、どれもタイトルをテプラして、
あっちの棚へ動かして、
こっちの棚を整理して、
いやはや、結構やることがあります。
でも楽しい。

自分の使いやすいようにしているからか、
見た目はあまり変わらない。
詰めが甘いかもしれないです。

2010年4月12日月曜日

「老絵師の行方」のアニメーション

マルグリット・ユルスナールの「老絵師の行方」の
アニメーションを見てみました。

監督はルネ・ラルー
原画はフィリップ・カザ
1987年のショート・フィルムです。

タイトルは「ワン・フォはいかにして助けられたか」
“Comment Wang-Fô fut sauvé”

訳者の多田智満子さんは
この原題を「老絵師の行方」とされたわけで、
本当に素晴らしいセンスですね。

内容は原作に忠実です。
短い作品なので、
とてもシンプルな構成です。

造型は少々SFのように仕上がっています。
中国をそのままに念頭においていると、
少々違和感があります。

もう一つ感じたこと。
文章を追っていく場合は多少の時間を要します。
それに対し視覚と聴覚に置き換えると、
とてもスピーディーになってしまいます。
読むという行為は、
言葉を噛みしめていくうちに、
じわじわと感じ取られるものがありますね。
情景を思い浮かべながら、
彩りを差し加えて、
人物の心情と身体の動きを想像しながら読む醍醐味。
アニメーションだと、
あっという間にコマが回ってしまうのです。
なんだかもったいない、
と思ってしまいました。

お気に入りのお話だけに、
チェックがたくさん入ってしまいます。

「老絵師の行方」は
「東方綺譚」 白水uブックス の冒頭に置かれています。

2010年4月11日日曜日

レトロ・ビル

レトロなビルの一つで、
今も健在な“大阪農林会館”へ行ってきました。

表の重い木の扉を開いて、
一歩中へ入ると、
なんだか懐かしい匂いがします。
ゆったりとした階段を登って、
また扉を開けると、
とても静かで、
侵入者みたいな気分です。

何度も塗り替えてあると思しき白い壁と扉の前を
通り抜け、2階の一番奥の奥へ。
そこに古書店“ベルリンブックス”があります。

3箇所目の扉を開いて中へ。
いろんな紙の入り混じった匂いが立ち込めています。
昭和の頃の本から、最新の文庫、
アート系の本や、最近よくみられるガイド的内容のエッセイなど、
狭い空間に、ぎゅっと詰まっています。
どの本も丁寧に扱われているのがよくわかります。

あいにく、欲しい本は見つからなかったのですが、
素敵な空間を発見できた気分です。
20年くらい前からこの“農林会館”を訪れる機会が
たびたびあるのですが、
うわさの“ベルリンブックス”は初めてでした。

こんな静かな落ち着いた空間で
お仕事できるなんて理想だなぁ・・・
レトロ・ビルはとても好きなところです。

2010年4月10日土曜日

須賀敦子さんを読む日

須賀さんの本はどれをとってもとても好き。
どの本の場合もどのページを開いても
読み始めると引き込まれてしまいます。

きちんと姿勢を正して読むこともあるし、
調べ物のためにパラパラと読むこともあります。

何回も繰り返し読んでいるので、
よくわかったつもりでいますが、
読むたびに発見があります。

そして読むたびに頭をガツンとされます。
読むたびに反省させられ、
読むたびに感動します。

そんな須賀さんの本を読むのは、
迷っている時、
途方にくれている時、
体調がすぐれない時。
ぼやぼやしている状態に、
須賀さんはお薬のように効き目があります。

おだやかに、
しっかりと、
須賀さんの声が響き渡るのです。

2010年4月9日金曜日

下流の場合

先日の新聞で、
思いもかけない記事を読みました。
ある作家がお金の使い方について述べていたのですが、
“浪費”を奨励する向きの内容でした。
“浪費”することによって、
上昇志向のライフスタイルや価値観を育む、
というように読めました。
そして現在の厳しい不況による生活水準の悪化は、
個人の努力が足りないからという発言もありました。

低い生活水準に甘んじている者からしてみると、
上記のような考え方は昭和の遺物です。
多くの会社がぎりぎりの利益を追いかけ、
人件費をぎりぎりまで詰めている現在では、
一人の人間が成す仕事の質も量も違いますし、
手にする給与も福利厚生なども、
バブル以前とは大きく異なります。

単純に“浪費”や“消費”を楽しめるような余裕は無いのです。

社会がそのように変化して行く中で、
政治の面でも経済面でも対応が遅れ、
個人はそのあおりを受けていると思われます。

そういった状況に個人も変化を求められ、
様々な努力が必要となります。
ただ、名門大学卒、資格などのこれまで有力とされたものが
そのまま通用するわけではありません。
常に新しい発想と実力、行動力を求められます。
また、経済的に厳しい状況におかれると、
身動き一つ難しいところがあります。

十分な収入のある人と無い人との格差が大きいだけでなく、
安定した収入を得られない人が想像以上に多いことを
理解する必要があると思われます。

こういった社会や経済の状況については
大きな問題として各所で研究され、
報道されているので、周知のことではあります。
が、あまりの見識の無さと配慮の無い発言に、
あきれ、憤慨してしまったのです。

今はこれまでの常識が覆されている、
新たな局面にあると思っています。

2010年4月8日木曜日

ムーミンのマグカップ

そういえば、というのも可笑しいのですが、
毎日ムーミンのマグカップで珈琲を飲んでいます。

マグカップが急いで必要になり、
あまり考えずに買ったのですが、
使ってみると、とてもいい感じです。
もう当たり前になってしまっていましたが、
じっくり見てみると、
書き物をしながら思案しているムーミンや、
紙を突き破ってくるミイや、
赤面しているムーミンパパ、
タイプをしているスノークの女の子、
黄色の地にみんなが思い思いに集っています。
こちらはARABIAのもの。

もうひとつ、最近になって、
国産のもので四季のシリーズが現れて、
夏の絵柄のものを使っています。
これにはムーミンママもしっかり登場。
ちょっと陶器の質がいまひとつですが、
普段使いにはこちらを愛用しています。

最近になってムーミンに親しむようになったので、
さらに愛着がわきそうです。

昔、スノークの女の子のことを“ノンノン”と
呼んでいたように思います。
TVのときはそうだったのかもしれません。
TVを見た記憶はほとんど無いのですが。

2010年4月7日水曜日

夕暮れの庭

春の宵は空気も澄んでいて気持ちがいいですね。
薄暗くなった庭を眺めていると、
咲き乱れる花たちが色鮮やかに浮かんで、
儚く美しく感じます。

紫色のビオラたち、
水色の勿忘草、
白くたおやかな雪柳、
ピンクの花桃、
いつもの桜と、
花がもう少し大きめの白い桜、
次々咲く花たちは、
季節の移ろいを前向きに届けてくれます。

たっぷりと寝て、
とても満ち足りた気持ちになりました。
多めにしているお薬も、
いつもの量に減らせそうです。
この落ち着いた気分になれば大丈夫。
春は何かと仕事も忙しいですが、
またこつこつとこなしていきたいと思います。

2010年4月6日火曜日

ふわふわさくらの巻

桜(ソメイヨシノ)が満開ですね。

近くに寄って花がみっしりとついている様子を見るのも良し、
ちょっと離れてシルエットの美しさを愛でるも良し、
遠くから雲のように白く浮かび上がる様を見るも良し、
目に入るだけで幸せ気分です。

桜の花がこんなに綺麗だと思えるのは、
じつは大切なことなのです。

ことん、ことんとのんびり走る電車の中から
山裾や丘の上にふんわり、もわもわと白く軽やかな桜の姿。
この季節ならではの景色を見ていると、
不思議とほんわか気分に包まれます。

ふわふわしている感じは綿菓子みたいだなぁ。
そばで見ると花びらが砂糖菓子みたい。
ついお菓子を想像してしまうのは、
やっぱり食いしん坊です。

2010年4月5日月曜日

「とどめ一撃」に出会ってから

「とどめの一撃」 マルグリット・ユルスナール著 岩崎力訳 岩波文庫

当時の手帳を繰ってみると、
1995年に岩波文庫から出版されたこの本を入手してから、
しばらくは寝かしていたようです。
2年も経って1997年11月に読み終えたと記しています。
とても感激して、興奮していたことを覚えています。
確かに滅多にしない書き込みを随所にしてあります。
そして手帳には原書が調べられるように、
フランス語の書名がいくつか並記されています。
翻訳されているもの、未だのものなど、
今ほどネットが普及していない頃ですから、
あとがきから分かることを
せっせと調べていたことを思い出します。

その頃に入手できたユルスナールの本のうち、
「東方綺譚」と「青の物語」を続いて読み、
こちらもすっかりお気に入りとなりました。
中でも「老絵師の行方」と「呪い」がとても好きです。

「ハドリアヌス帝の回想」は難しそうで、
読めないと思い、手を出しませんでした。
また何時かじっくり読める日がくると思ったのです。

※ ※ ※

それから長い間深い眠りのような状態に入りました。
その間もずっと地下水脈のようにこの「とどめの一撃」は、
理想の小説の一つとして沈んでいたのです。

※ ※ ※

ユルスナール・セレクションが出始めて、
再びユルスナールを読むチャンスが訪れました。
まだ未読であった本を少しずつ読んでいる時にも、
常にどこかで「とどめの一撃」を意識していました。

ユルスナールの作品には共通するキーワードがいくつか見られますが、
そのうちの一つに“高貴さ”があります。
「とどめの一撃」はこの“高貴さ”がテーマといってもよいかと
常々考えています。
“高貴さ”が更に昇華して“美”となってゆくのです。

「とどめの一撃」の原型となっている話は
ユルスナールが人から聞いたものだということです。
ここにテーマとなるものを読み取り、
小説に仕立て上げる力を持っていたユルスナールへの関心も高まります。

昨年この「とどめの一撃」の親本である雪華社の単行本に
偶然出会いました。
何度目かとなる再読でも初読の時のように、
心がときめきました。

並行するように「黒の過程」、「目を見開いて」を読み、
人としてのユルスナールの姿も見えてきました。

このブログでも、ふらふらと読書している状態を
ご覧いただいていますが、
迷い、誤り、焦り、戸惑いを繰り返してきています。

納得できるようになるまで、時間がかかりましたが、
そろそろ心を決めるときのようだと感じ始めたました。

これからしばらくの間、
ユルスナールを中心とした読書に勤めたいと思います。
読書に沿った作業も計画中です。
ユルスナールの作品をより深く読み解くために。

ブログをお読みくださっている方々に、
ご協力いただいていることをお礼申し上げます。
この先もどうかご支援ください。
よろしくお願いいたします。

2010年4月4日日曜日

遠いミシェル・フーコー

簡単な哲学入門書を読んでいて
もっとも関心を引いたのがミシェル・フーコーの仕事でした。
その頃は体調もすぐれず、
集中力を全く維持できない状態でしたので、
そのうちに読み始めることができればと
楽観的に考えていました。

それから十年以上が経ち、
手元を確かめてみれば、
フーコーを読むなんてまだまだ出来ません。
人から哲学系の本は若いうちに読んでおいた方がよいと
言われたことがあります。
20代の頃に出会っていれば、
人生も変わっていただろうとも思います。
人間の思考など簡単には変わらないものでしょうが、
入門書を読んだり、伝記を読んだりしてして思うには、
きっと天地がひっくり返るくらい、
物事の見方、思考、発想に刺激を受けそうな予感がしています。

少しずつフーコーの本を手に入れて、
いつ訪れるかわからないその日に備えています。
つい最近は新潮社から「カントの人間学」が出版されました。
「狂気の歴史」の副論文ですから、
これもぜひ揃えておきたい。

そう願いつつも、
不器用で一つのことしかできないものですから、
ユルスナールに本気で取り組むのであれば、
フーコーまで届かないかもしれません。
覚悟して選び取ることが必要なのでしょう。
その日が来るまで、
フーコーは大切においておきましょう。

2010年4月3日土曜日

奈良公園へ遠足に

昨夜は早めに就寝し、本日に備えました。
同行の知人にもご配慮いただいて、
無事、一日を楽しく過ごすことができました。

待ち合わせは近鉄西大寺駅、
最近オープンした駅ナカに、
“豊祝”という日本酒のお店があります。
出会うなり早々、きき酒で乾杯!
三種類の豊祝のお酒はなんとも美味。
お腹にじんわり染み渡ります。
お昼のランチも美味しそうなので、
追加していただきます。

そこから近鉄奈良駅へと向かいます。
奈良公園の桜を見て回ろうと計画したのです。
今日は気温が低く、少々冷たかったですね。
桜は満開、白く、のびのびと咲き誇っていました。
緑の中をとことこと歩き、
まず浮見堂で一休み。
この辺りは人も多く、間を縫ってさらに公園の奥へ。

春日大社の本道を左に折れ、
さらに奥へ坂を登ってゆくと、
“ヒルトップテラス”という結婚式場+レストラン+カフェにたどり着きます。
ここではちょっと背伸びした雰囲気を味わいます。
テラスでまたまた一休みして、次は若草山へ向かいます。

若草山の裾野は工事中で、桜もかなり手を入れてありました。
ですが、山の稜線に沿った桜は見事な咲きぶりです。
またとことこと歩き、春日大社の方へ抜けます。
春日大社では珍しそうにカメラを構える人が多く、
その様子を眺めながら、中央を抜けていきました。
春日大社の正面入り口の右手にある大きな古木の枝垂れ桜が、
たおやかに咲いていました。美しいものです。

そこから公園をまっすぐに歩き、
猿沢池から奈良町へとさらに歩きます。
今日の晩ごはんは“粟”でいただくのです。

古民家を手直ししたそのお店はこじんまりとしていて、
ほんわか和みます。
お食事はというと、
大和野菜がメインの食材としてふんだんに使われ、
ソースなども大変凝ったものでした。
デザートまで美味しくいただき、
二人ともとっても満足。

後で珈琲をいただいて、
近鉄奈良駅へ。
これで今日のコースはおしまいです。
お疲れ様でした。

2010年4月2日金曜日

ご迷惑かけます

そんなに無理をしているわけでもないです。
だのに、頭がメルトダウン、
ぼんやりとしか頭が回らなくて、
かつ痛い。
それにプラス、
右手の甲が腱鞘炎、
またまたぷっくりと腫れて、
イタイタ。

上滑りの思考と行動が、
さらに形だけになってしまっています。
どうしようもないので、
お薬を飲んで、
紅茶を飲んで、
一つずつゆっくりと、
片付けてまいります。

本も読めないな~。
そろそろじっくり腰を据えて読む時期なのです。
何を読むか考えてみるだけでも
気持ちが晴れるので、
悩んでみることにします。

2010年4月1日木曜日

「恋愛迷子」

「恋愛迷子」 小川内初枝著 光文社文庫

著者の小川内さんと、
昔、同じ職場で仕事をしていました。
しばらくは会うこともなかったのですが、
小川内さんが太宰治賞を受賞されてから、
再びお話をするようになりました。

頭脳明晰、才能豊か、
とても繊細で、豊かな情感をお持ちの方だと
常々感じています。

そんな小川内さんが書かれる小説は、
現代に生きる女性の揺れる心をしっかりと捉えた
芯のある作品ばかりです。

この「恋愛迷子」では、
自立を求め、果たしながらも、
信じるという行為に疑問を呈して、
自らの生き方を選択できずにいる、
31歳のOLの迷える姿を描いています。

この主人公が何故、どのように惑うのか、
さらには、どのように生を営んでゆくのか、
舞台設定も鮮やかに、
求心力を持って物語は明かしてくれます。

藤田香織さんによる解説も
丹念に読み込まれた上でのもので、
読後感を充実させてくれるのでした。

人間の存在意義を問うに近い、
生きる困難さを、
心理面から描いている小川内さん、
今後も書き継いでいってください!