「弱いつながり」 東浩紀著 幻冬社
気鋭の思想家が書き連ねていた連載をまとめた本ですが、
一般向けに親しみやすく、読みやすい、
そして主張を平らな言葉で表現した内容です。
いくつかのポイントが記されています。
①情報は複製可能、時間は複製できない。
②言葉に頼った議論はメタ化しやすい。
③歴史認識は共有できないもの
④言葉での争いを止めることができるはモノだけ。
⑤ルソーが提示した「憐み」により個人が繋がりあえる
⑥グローバル化の本質はコピーから始まる
⑦ネットの強みを活かすには弱いリアルを導入する
⑧ネットは体力勝負の消耗戦
⑨弱い絆は偶然性の世界
⑩現実を知る
などですが、
ネットの世界ですべてが集約できるわけではなく、
事実として認識可能な「モノ」を自分の肉眼で確認することにより、
対象により近づくことができ、「憐み」という感情を抱くことできる。
「モノ」がコピーであるかどうかよりも、それが何を示しているか認識することが大切。
よって、旅に出て、観光客となり、様々な事象に触れること。
観光客になるということについても、考察されていて、
その良い点について説明されています。
普段の生活の中で、ネットや新聞やTV、雑誌等のメディアで、
標準とされているものと自分とを比較するという作業から、
切り離すことができそうに感じられる本です。
私は、自分を取り戻すことができる本、という風に受け止めましたが、
これからは、こうやって世界と繋がっていこう!と、具体的に述べている、
未来の本でもあるでしょう。
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