現在、国立国際美術館で開催中の
クラーナハ展に行ってまいりました。
行く前には、乏しい知識がゆえにためらっていたのですが、
行って、ほんとうに良かったです。
素晴らしかった。
クラーナハ(クラナッハとも言いますね)がすっかり好きになりました。
今から500年前の宗教戦争の時代の絵画です。
それがこれほど美しく、それも日本で観れるなんて。
優美で官能性豊かであることが特徴と、インプットしておりました。
確かに、女性の美しさは独特のものがありました。
裸体が有名ですが、その他の作品もたくさんあり、
正確で、生々しい筆致は観る人の目を奪います。
特に印象深かったのは、眼、です。
人々の眼が、とても表情豊かなのです。
眼でものを言う、そのものです。
眼がしっかりしている、つまり描写がしっかりしているので、
どの作品も完成度が高く、個性が豊かに溢れています。
ドイツ・ヴィッテンベルクの宮廷画家であり、
独自の工房を経営して、絵画や銅版画も数多く手がけ、
ルターと親しく、
でありながら、カトリックの絵画も描く、
きっと当時でも有能な人物だったのではないでしょうか。
そういう多才なところも興味深いです。
息子も工房を引継ぐ画家であり、
お弟子さんもたくさんいたのでしょう。
作品数も相当なもののようです。
残された作品群を観て、初めて知ったクラーナハの世界。
本物を観る良さを痛感いたしました。
私の好きな作品はこちら。
≪正義の寓意(ユスティティア≫ 1537年
実物はたいへん素晴らしく、繊細で、官能的で、優美な作品です。
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