2017年2月25日土曜日

クラーナハ展

現在、国立国際美術館で開催中の
クラーナハ展に行ってまいりました。

行く前には、乏しい知識がゆえにためらっていたのですが、
行って、ほんとうに良かったです。
素晴らしかった。
クラーナハ(クラナッハとも言いますね)がすっかり好きになりました。

今から500年前の宗教戦争の時代の絵画です。
それがこれほど美しく、それも日本で観れるなんて。

優美で官能性豊かであることが特徴と、インプットしておりました。
確かに、女性の美しさは独特のものがありました。
裸体が有名ですが、その他の作品もたくさんあり、
正確で、生々しい筆致は観る人の目を奪います。
特に印象深かったのは、眼、です。
人々の眼が、とても表情豊かなのです。
眼でものを言う、そのものです。
眼がしっかりしている、つまり描写がしっかりしているので、
どの作品も完成度が高く、個性が豊かに溢れています。

ドイツ・ヴィッテンベルクの宮廷画家であり、
独自の工房を経営して、絵画や銅版画も数多く手がけ、
ルターと親しく、
でありながら、カトリックの絵画も描く、
きっと当時でも有能な人物だったのではないでしょうか。
そういう多才なところも興味深いです。
息子も工房を引継ぐ画家であり、
お弟子さんもたくさんいたのでしょう。
作品数も相当なもののようです。

残された作品群を観て、初めて知ったクラーナハの世界。
本物を観る良さを痛感いたしました。

私の好きな作品はこちら。
≪正義の寓意(ユスティティア≫ 1537年
実物はたいへん素晴らしく、繊細で、官能的で、優美な作品です。



0 件のコメント:

コメントを投稿