2009年9月7日月曜日

エコバッグ

最近、布地のエコバッグをよく持って歩いています。
時々「昔風の買出しだね」と言われて、しょげています。

気に入ったものを用途によって使い分けています。
キャトル・セゾンのマチのある大きなもの、
同じくキャトル・セゾンの麻地の軽いもの、
アニエス・ベーの素敵なイラストの入ったA4変形のもの、
おなじみディーン&デルーカの黒い手提げにはマグを入れて、
クローニクのはとても小ぶりな黒い手提げ、
ロイヤル・コペンハーゲンの紺色のは最近手に入れました。
ギンガムチェックのかわいいのが欲しいし、
水玉もいいなあ・・・などと、数ばかり増えていきそうです。

たいてい水のペットボトルと本が入っています。
そのほかにも書類やら、封筒やら、珈琲、お薬、
カーディガンやら、なんやらかんやら、
やはり買出しみたいなものです。

2009年9月6日日曜日

“半歩遅れの読書術”から

ただいまクリストファー・プリーストの「魔法」ハヤカワ文庫を読書中です。
全く知らなかったこの作家のことについて教えてもらったのは、
日経新聞日曜日の読書欄にある“半歩遅れの読書術”にて。
松浦寿輝さんが紹介されていたのでした。

まだ読み出したばかりですが、
早速、引き込まれています。
じっくりと読むタイプの小説のようなので、
あわてずに今後の展開を楽しみたいと思います。

読みながら、イギリス文学の良さに感心しています。
英語がさっぱりわからないので、原書が読めず、
ちょっぴり残念ですが、
主要な作家、作品はどんどん翻訳されているので、
これらもどんどん文庫化してほしいところです。

この“半歩遅れ”は小さい記事ですが、
様々な人が気になる書籍を紹介しています。
松浦さんの記事を全てとっておかなかったことが
悔やまれます。
おばかさんです。

2009年9月5日土曜日

アートとしての服~ドリス・ヴァン・ノッテン

ドリス・ヴァン・ノッテン、
ここのところ話題が多く、
注目の人ですね。

ドリスのデザインセンス、
エスニックからインスパイアを受けたデザイン、
トレンドに左右されないライン、
美しい発色、
色彩のコーディネイト、
テキスタイルの選択、
アクセントの置き方、
どこかノスタルジックなライン、
無駄のそぎ落とされたデザイン等々に
魅了されてきました。

ライカ時代の
美しい紺色のパンツと、
柔らかな草色のタンクトップ、
黒のカーディガンのワンセットを
大切においてあります。

2009年9月4日金曜日

「マンスフィールド短編集」

「マンスフィールド短編集 幸福・園遊会」 キャサリン・マンスフィールド著 
崎山正毅・伊澤龍雄訳 岩波文庫

久しぶりにマンスフィールドを読みました。
堀江敏幸さんの本で紹介されていたからなのですが、
もともと好きだっただけに、じっくり時間をかけて楽しみました。

マンスフィールドは完璧な作品を書くために、
“水晶のような透明さ”を求めたといいます。
ここにまとめられた19編はいずれも、完成度が高く、
隙がありませんし、目配りができており、構成もしっかりとしています。
そしてテーマに即した人物の心理の動きを丁寧に追っています。
人の心を振り回す代わりに、細やかな描写によって、
情景を明朗に映し出し、物語は映画のようにしなやかに流れます。

お気に入りは「入り海」です。
海辺と子供たちの情景がとても美しく、楽しい。
この作品を読んでいると、情景描写や心理描写において、
ヴァージニア・ウルフを思い出しました。
ウルフはマンスフィールドに一目おいていて、少々ライバル意識を
持っていたらしいので、気になる点です。

このような普遍的な内容の小説は、
いくつ年齢を重ねても、その時々にあわせて
楽しむことができると思います。

2009年9月3日木曜日

「雲のゆき来」

「雲のゆき来」 中村真一郎著 講談社文芸文庫

中村さんの文体が好きでなければ、
とうてい読みきることが出来なかったと思われる
引用の多い、複雑な小説でした。

冒頭に元政上人との関わりが書かれて、
上人の作品や生き方を複線に、
ある若い外国人女優との京都への旅が
描かれています。
明らかにされようとするのは、
その女優さんの根底に塊となっている感情。
「私」の中で、元政上人の生き方と女優さんの生き方が
対比され、「私」自身の考えが浮き彫りなってゆく。

実のところ、この本から読み取ることは大変多く、
詩文、和歌などの古典から教えられること、
女優さんを通して考えされられること、
「私」という人物について驚かされること等、
書き出すことができません。
一度読んだだけでは、もったいなく、
「私」の年齢くらいになった頃に、
落ち着いてゆっくり読み返したいと思っています。

2009年9月2日水曜日

「ブラフマンの埋葬」

「ブラフマンの埋葬」 小川洋子著 講談社文庫

先日小川さんの「ミーナの行進」を読みました。
芦屋が舞台で、従姉妹の少女2人が中心となって
不思議で忘れられない日々を送る話でありました。
奇妙なことや、不可思議なことがたくさん起こるのに、
ちっとも違和感がないところが、
小川さんの手腕です。

これ以外にも小川さんの作品は少しばかり読んでいるのですが、
一番の好きな作品が、「ブラフマン」。

“僕”とブラフマンとの出会いから別れの日々の話です。
“僕”は相手の心を汲み取ることのできる稀有な人で、
ブラフマンにも同じように目を覗き込んで、
声を出さない彼の気持ちを考慮しつつ、
仕事に励み、ブラフマンとの時間を過ごしていきます。

その中には、
何かが隠されていて、
何かが起こりそうで、
はらはらしてしまいます。

隠されているというより、
命のあるものは明確な形態と名前を持たず、
不明であることから、神秘性を生み出しています。
ブラフマンもどんな生き物であるのか、
“僕”のメモから推察するしかありません。

小川さんの作品の好きなところは、
その神秘性と、繊細さ、そして根底にある暖かさにあります。
ゆえに大切に手に包んで守りたくなるような気持ちになります。
そして、いつまでも本の中の世界が持続しているような錯覚に陥ります。

巻末の奥泉光さんによる解説では、
この作品の妙味と小川さんの技術について語られています。

2009年9月1日火曜日

“Le scaphandre et le papillon”

「潜水服は蝶の夢を見る」 ジュリアン・シュナーベル監督

原作はジャン=ドミニク・ボビーによる同じ題名で、
実話であることは知られていると思います。
翻訳を読んだことはありませんので、
この映画で感じたことしか書くことができません。

まず、陰影の深い画面が、作品の重みを伝え、
色彩の美しさが、目に入るものたちの存在の確かさを
感じ取らせてくれます。

主人公の陥った状態をマチュー・アマルリックは忠実に
再現しているようです。

瞬き、瞬き、その目に映るもの、
その目が語るもの、
をシュナーベルは丁寧に描写していきます。

そのまわりに、主人公を理解できるように、
エピソードが取り巻かれ、
彼が一人の人間として立ち上がってきます。

今の彼に残された片方だけの視力、記憶、思考、
全てを尽くして、本は書き上げられます。

ここでは、絶望という言葉を受け止めながらも、
彼方へと飛翔する蝶のように、
現実を生きる姿がありました。

シュナーベルの目を背けない、
おそらく凄まじい製作能力を
見せられた思いです。

そして亡くなった原作者の、
生への願望もここに刻まれこんでいると
言っていいでしょう。