2011年4月20日水曜日

悲しい薔薇たちの運命

ああ、豊かに咲き誇る薔薇たちよ、
それは夢の中でのことに過ぎず、
あえなく春の日に立ち枯れていったのであった・・・

大げさですが、本当の話です。
冬に購入したミニバラのオーバーナイト・センセーションと、
ツルバラのピエール・ド・ロンサールは、
会社で注意を払いながら育てていたのですが、
一度葉を伸ばした後、あっけなく枯れてしまいました。

ピエールをどうにか救いたいと思い、
慌てて植え替えをしてみたのですが、
根が全く伸びていなくて、
黒い塊と化していました。
これでは、成長するはずがありません。

家でも同じお店から取り寄せたアイスバーグが、
全く同じ状況になりました。

水遣り、日光に当てる、温度差があるときは屋内に入れて等、
考えていたのですが、他の薔薇たちは大丈夫なのに、
同じお店で買った3鉢がだめでした。

残念というか、くやしいというか、哀れというか、
なんとも複雑な心境です。

しばらく薔薇は棚上げとします。

2011年4月17日日曜日

リザヴェータという名に

「トーニオ・クレーガー」において、
成人した主人公トーニオはミュンヘンで、
友人の画家のリザヴェータを訪問するシーンがあります。
また、小説の最後でリザヴェータへの手紙に自分が愛する人々への気持ちを
託しています。
このリザヴェータ・イヴァーノヴナは重要な役割を担っているのです。

「トーニオ」が書かれたのは1903年のこと。
それより前、1866年にもリザヴェータが登場する作品が書かれています。
ドストエフスキーの「罪と罰」です。

ここでは、主人公ラスコーリニコフが高利貸の老女アリョーナ・イワーノヴナを
殺害することが大きな事件の始まりとなっています。
アリョーナの妹のリザヴェータ・イワーノヴナはこの事件に巻き込まれ、
ラスコーリニコフに殺められてしまいます。

そうです、同じ名前なのです。
研究者さんの間では判明していることなのでしょうが、
さて、どういった訳があるのでしょうか。
トーマス・マンに尋ねてみたいところです。

2011年4月15日金曜日

ユルスナールの<世界の迷路>がついに

「白水社の本棚」によると、
5月25日にマルグリット・ユルスナールの
<世界の迷路Ⅰ>「追悼のしおり」がついに刊行されるとのこと。
訳者は岩崎力さん。

<世界の迷路>は日本語で読むことはできないだろうと、
あきらめていただけに、飛び上がるほど嬉しいニュースです。

今からもうどきどきです。

2011年4月13日水曜日

「トーニオ・クレーガー」

「トーニオ・クレーガー」 トーマス・マン著 平野卿子訳 河出文庫

昔読んだ「トーニオ」は少々陰気な雰囲気をかもし出していて、
北ドイツ(たぶんリューベック)が舞台だから、
仕方が無いのかと思っていました。
それに硬さもあって、親しみが湧かず、
「ブッテンブローグ」と「魔の山」は大好きだけれど、
これはちょっと違うと脇においてありました。

この平野さんによる新訳はそんな印象を拭い去る快訳です。
北国の暗いイメージに軽やかで華やかなハンスが印象的で、
主人公トーニオの切ない気持ちの揺れが伝わってきます。
その後に出会ったインゲボルグの印象もハンスと同じく、
主人公の性分とは相容れることなく、憧れの対象として描かれます。
しかしトーニオは自らの生来の天分を信じ、
芸術家への道を歩み、文壇で作品が認められるようになるのです。
そのトーニオは、親友リザヴェータ(この名前には何か意味があるのでしょうか)
に胸の内を吐露し、そののち故郷とデンマークを訪ねます。
成人してから見る故郷の町。
変わらぬもの、変わった自分を再確認して、
デンマークの避暑地に出かけたトーニオは、
そこで幻のハンスとインゲボルグに再会します。
子供の時分から理想的な市民の典型=普通の人に見えた二人。
そこでトーニオは改めてこれまでの自分の過ごしてきた日々を振り返り、
そして“迷子になった普通の人”である自分の行くべき道を見据えるのでした。

このように筋は特に変わったところの無い作品ですが、
主人公トーニオの造型が深く掘り込まれているのが特徴だと思います。
もちろんトーニオのモデルはトーマス・マン自身でしょう。

筋を置き換えて、若き頃を振り返り、これまでの人生、思考について考えてみるのも
一考です。いや、そのための一冊でしょう。
そういう一冊のことを「青春の書」と呼ぶのだと思います。

2011年4月10日日曜日

自己管理できていません

3月末からの風邪引きから続いて、
この一週間腹痛の風邪に襲われています。
体調にはずいぶん気を使っているつもりなのに、
これでは話になりません。
とりあえず仕事を第一優先でせっせと励んでいます。

その寸暇を縫って「英国王のスピーチ」を観てきました。
イギリスの映画って観るのは初めてかもしれません。
王室が舞台のためか、とても端正な運びと、
微妙なユーモアセンスになかなか付いていけません。
配役は素晴らしく、演技は申し分ありません。
個人的に朗らかな雰囲気を求めていたのでしょう。
史実ですからそういうわけにもいかず、また、
完成度が高くても、個人の好みとは別なものだと、
妙に納得したのでありました。

2011年4月6日水曜日

桜が咲き出しました

ようやく暖かな春の陽射しが訪れました。
桜も早くも満開の木もあれば、じっくり3分咲きの木と色々ですが、
淡いピンクを目にすれば、それだけでほっとします。
しばらくすれば、咲ける限り咲き誇って、もういいかげん飽きるくらいに
なりますね。それも桜の種の保存の運命なのだから、
馬鹿ほど咲いてくれても何の問題もありません。はい。

震災関連のニュースが下火になってきているような気がします。
メディアのあり方に疑問です。
コツコツと現状を知らせてください。
自分にできることはないか、すごく悩んでいます。
一つのアイデアを持って、それを一番効果的にする方法を考えています。

先週から風邪に苦しみ、続いて右手の腱鞘炎に苦しみ、
痛み止めの飲みすぎからか腹痛に身をよじらせ、という日々が続いています。
こんな足止めを食っているうちに日々は刻々と過ぎてゆくのでした。
焦ってます。はい。

2011年4月3日日曜日

「妄想気分」

「妄想気分」 小川洋子著 集英社

小川さんの最近の小説は気になるものばかりで、
どうしてこんなに魅了されるのだろうと、不思議です。

こちらは古くは1991年にまで遡る小川さんのエッセイ集。
昔のエッセイはとても自然なある意味普通の言葉で書かれています。
それはまた安心感を呼び起こすものであって、
作家としてのご苦労もしんみりと伝わるものです。

最近書かれたエッセイでは、途中から小川さんの魔力が忍び込んできて、
小説を読んでいるような気分になってきます。
可笑しいのは“阪神電車高架下の秘密結社”。
甲子園球場が大好きな者としては、
ある程度わかるのですが、途中から、むむむ・・・?
傑作です。

小川さんの作品を全て読んでいないので、
文庫になっているものから、少しずつ読んでみようかなと、
思っています。

小川さんの素敵な優しいお人柄もよく伝わってくるこの本、
隠れたヒットではないでしょうか。