とうとうプルーストも11巻まできました。
「逃げ去る女」。
アルベルチーヌが去って、
そして、アルベルチーヌの死を知ることになった“私”
この巻では、アルベルチーヌに対する気持だけでなく、
死による別れについても考えることになるのでしょう。
プルーストは簡単に「愛している」という言葉を使いません。
悶々と悩み、考えた末、「愛している」のかもしれない、
そんな感じです。
相手のことを想うあまり、意識に対する言葉を選び、
並び連ねている。
常に言葉に置き換えている、なんとも観念的なことでしょう。
感情というのは、とらえどころのないものでもあります。
自分で認めることができないこともあるでしょう。
言葉に置き換えるというのは、大変な冒険でもあるのです。
小説の面白さは、そこにあります。
言葉を操ることのできる魔術師にだけに許される作業。
プルーストは自分の才能すべてを注いで、
この作品に取り組んだのだと、読みながら痛感しています。
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