2017年10月29日日曜日

和歌山・田辺へ遠足に

先日、雨がざぁざぁ降り続く中、研修がありました。
会社が所属している協会主催のバス・ツアーです。
目的地は和歌山県田辺市。


田辺市は白浜より山手に入ったところで、
市の90%を山林が占めているそうです。
どんなところでしょう、なかなか行くことのできないところへ、
連れて行ってもらいます。


朝8時、大阪市内某所に集合、
毎年ながらこれがなかなか大変なのです。
駅から歩いて15分はかかるところで、
雨の中とぼとぼ。
ぎりぎり間に合いました。
ちょっと待ってください、まだやることが・・・。


私の会社からは女子4名の参加でしたので、気楽です。
眺めも今一つなので、お隣のMさんと話しっぱなし。
和歌山に近くなると緑が深くなってきて、
しっとりした雰囲気が出てきました。
山越えをして、紀の川沿いに出てきました。
熊野古道沿いの旧家に向かいます。
これまでいくつか江戸時代から続く家を見せていただきましたが、
今回は、市が管理しているということもあるためか、
たいへん手が行き届いており、見ごたえがありました。
メンテナンスは大切ですね、痛感いたしました。


京都とはまた違う雰囲気やね、と話しながら、
目的地、田辺のお食事処へ進みます。
バスで1時間半くらいでしょうか、ようやく到着。
いつも専任のコンダクターの方が趣向をこらしてくださるお食事、
今回はさて・・・。
と期待に胸を膨らませすぎて、見事に沈没しました。
私だけではなくて、向かいに座られていた男性陣も無言。
おまけにアルコールもわけあって出なかったので、
盛り上がりに欠けるお食事会でありました。
これは大変残念でありました。


午後はさらに山の中へとバスは進み、
檜の間伐材の加工工場へ。
実物を見学しながら、丁寧に説明をしていただき、
実際に触ってみたり、普段は出来上がったものばかり見ていますから、
新鮮ですし、目から鱗もたくさんありました。


その後には、実際にこの木材を使った田辺市内の学校の視察です。
まだ学校は授業中の時間。
なのでお昼はアルコール抜きだったのでした。


その学校は2階建てのこじんまりした建物ですが、
ほぼ90%を木造で作られており、(耐震、耐火基準のためRCを一部使っています)
それはそれはよく考えられ、丁寧に作られた、
地元の方々の愛情の詰まった学校でした。
大きな柱もあれば、小さな机や椅子まで無垢材と集成材で作られています。
もちろんコストはかなりのものだったようです。
これらの話を、教育委員会の方々や、校長先生自らしてくださり、
ご案内いただきました。
私たちみんなが育てていく義務がある子供たちの教育現場を、
これほど歓待して迎えてくださるとは、かえって申し訳ないくらいでした。


田辺の山の中、まだまだ雨は強く、暗くどんよりした天気は、
残念な限りですが、再びバスに乗り込み、帰路につきました。
サービス精神満載のコンダクターK氏は、
昼食の保険として用意いたしました!と言って、
田辺のめずらしい餡餅を用意してくださっていて、
その上、お待たせいたしましたと、一番搾りを配っていただき、
帰りの道のりは長かったものの、和んだ雰囲気となりました。


さすがに雨中、道路は混んでいて、予定よりかなり遅く
大阪に着いたのはもう19時。
バスはゆったりとしていて窮屈さはありませんでしたが、
座りっぱなしは疲れてしまいました。
このツアーに参加するのは3回目。
ツアーやバス移動は苦手ではありますが、
この企画でないと訪れることが不可能な場所ばかりですし、
参加される方も静かにされていて穏やかですし、
こんな気楽な研修は遠足に違いありません。


解散後、Mさんと二人で出来たばかりの広々としたスタバで、
暗くなった外を眺めながら、
会社の話などをして、和んでから、
ほんとうに解散、帰宅したのでした。

2017年10月28日土曜日

奈良・新大宮《L'oiseau Bleu》

大阪市難波から近鉄奈良線に乗って35分、
終点奈良の一つ手前の駅、新大宮で下車、徒歩5分のところ。
フランス風ビストロの《L'oiseau Bleu》(青い鳥)があります。


まずビールを。
フランスで最もポピュラーだというビールに。
癖のない味、まずまず重みもあって、飲みやすいです。
このお店に誘ってくれた弟は、
もう少しフルーティな味わいのあるビール。
彼が次に頼んだビールが美味しかった。
どうして、銘柄を控えておかなかったのでしょう?


アントレに、鴨のコンフィ。
あっさりと仕上げてあり、鴨が苦手な人でも大丈夫な感じです。
たっぷりあったので、2人では多いほど。


次には自家製ソーセージ。
各自一本ずつにしたのですが、これもフランクフルト並みの大きさ。
ハーブがとても効いていて、独特の味わい、めっちゃ美味しい。


山盛りの人参のサラダ。
人参と干しブドウをドレッシングであえてあるのですが、
とっても美味しくて、ばりばりとあっという間に平らげてしまいました。


このあたりでカラフェでワインを頼みました。
きちんと新しい封を切って、銘柄を説明してくださったのですが、
私にはとんちんかん、もったいない。
たいていのお料理に合いそうな飲みやすい赤ワイン。
フルボディではない、ということだけはわかりました、それだけ。


始めに頼んであった煮込み料理を待つ間に、
何がよいかシェフにお尋ねしたところ、
お肉が続いているので、サーモンは?
とのお返事で、サーモンいただきましょか?
これが、もう今まで食べたことないようなサーモンでした。
厚みがあり、味付けも上品で、もう参りました。


ここまでくると、最後の煮込み料理はさてさて・・・。


ラムとジャガイモのアルザス風煮込みでございます。
陶製のお鍋にカットしたラム、その上にはスライスされたジャガイモが
ぎっしり詰まり、蓋が浮かないようにパン生地で留めてあります。
もうジャガイモもホクホクで、スライスしてあるのが好きなだけに
お出しをかけながらいただくと、フォークが進む、進む。
ラムは好みがあるでしょうが、豚でもいいかもしれません。
蓋と留めてあったパンをぱりぱりと剥がして、
お出しにつけて食べると・・・もうすご~い美味しい~。


ひゃ~、久しぶりに美味しいのいただいたね~、と
弟と2人で満足しつつ、帰路についたのであります。


このお店は菖蒲池にデリのみ扱う小さな店舗もあり、
そちらでは一度いただいたことがありました。
美味しいことがわかっていたので、
弟に誘われた時には、即OKだったのです。


奈良に小さなフランスあり、
そんな素敵なビストロです。



2017年10月15日日曜日

選挙、投票に行きましょうね

このブログをご覧くださっている方々は、
当然、投票に行かれていると思われるのですが、
このような政治状況、国内状況においても、
投票権を放棄する人がいるので、
一言、発言しておこうと思いました。


政権に対する意見、
現政治における意見、
立候補者への意見、
山積みの社会問題、
それらはすべて我々と密接に関係しています。
自分の意見を一票という形で、
表しましょう。


社会問題については、
投票するだけでは間に合わず、
アクションを起こしていかねばならない、と
自覚して動いているのは、
若い方のようです。
立派だな、と思っています。


私もなんとかしたいです。

2017年10月11日水曜日

「ワシントン・スクエア」

「ワシントン・スクエア」 ヘンリー・ジェイムズ著 河島弘美訳 岩波文庫


この作品は1880年に発表されたもので、
ジェイムズの初期の一冊となります。
ウィリアム・ワイラーによって、映画化もされているそうで、
気になるところです。
初期の作品の代表としては、
「ある婦人の肖像」(1881)が挙げられます。
そういう意味で、作品を読み解く際に比較してみるのも一考と、
解説には具体的に記されています。


時は19世紀前半、ニューヨークの街が発展途上、
アメリカという国がますます力を増していく時代です。
そのニューヨークで開業医として成功をおさめているスローパー博士、
その一人娘のキャサリン、同居しているぺ二マン夫人に、
モリスという若い男性が織りなす結婚話を題材に、
彼らの心理描写を描いています。


ジェイムズに親しんでおられる方であれば、
テーマや題材、人間関係など、理解が早く、
するすると読めることでしょう。
興味深いことに、とても会話部分が多いので、
気持ちとその表現、また奥底の心理について推察しやすい方だと
思います。
ジェイムズの後期の作品は大変難解ですから、
それを考えると、わかりやすい作品といえるでしょう。


ジェイムズの作品は、一見はわかりにくいゆとりがあるように
感じています。
どれも真面目な作品で、登場人物も正面から描かれているのですが、
作者からの視点が、一定の距離を保っており、
山場の部分でも冷静に読むことができます。
もしかすると、冷静に読めるところが面白くない方もいるかもしれません。
ですが、その距離感により、
登場人物たちを観察し、気持ちを推し量り、彼らの生き方に
同情したり、苦笑したり、いらだったり、と読み手は自由に気持を
動かすことができますし、想像する自由も得ています。


私が読んだ作品は、この「ワシントン・スクエア」「ある婦人の肖像」
「鳩の翼」「金色の杯」「大使たち」にとどまっていますが、
他にも読んでみたいと常に思っています。
お気に入りは「婦人」と「大使」です。

2017年10月9日月曜日

立山へ

先日、立山へ家族4人で旅行に行ってきました。
立山とはよく耳にするものの、ほとんど知らず、
平面地図にて事前準備。


京都から金沢まではサンダーバード、金沢から富山までは新幹線。
富山からとことこと地元の鉄道に乗り、
急傾斜のケーブルに乗り換え、
美女平に着いたところで、もうかなりの標高でした。
富山が一望できる良いお天気でもありました。
そこから高原バスに乗り、くねくねと山を登っていきます。
よく立山の冬の雪の写真を見ることがありますが、
ここがそうだとは思えない静けさ。
信州とはまた違った木々の風景です。
ずいずいと登りついたところは、弥陀ヶ原高原ホテル。
こちらで一泊いたしました。
家族ですから、何をするにも、わいわいがやがやで、
口ぐちに好きなこと言うものですから、可笑しいというか、気楽というか。
ホテル近辺の散策コースを散歩すると、
まだ秋にはなっていない時で、われもこうがたくさん。
後はりんどうがこれから咲こうとしているところでした。
とても空気が気持よい、風が心地よい、清々しいところ。
もちろん周りはさらに高い山々に囲まれて。
雲がかかると高原には霞がかって、さらに美しかったです。


冬には雪が深いので、ホテルは無人になるというほどのところ。
富山市内の夜景が見渡せるというのが人気のダイニングで夕食、
とこれも楽しみにしていたのですが、
なかなかサービスが厳しく・・・落ち着いて食べさせてくれませんでした。
こだわった食材、調理、のわりには、お味も今一つ。
仕方なく、部屋に戻って、飲み直しでございます。
地元のお酒を買い込んで、わいわい飲んでおりました。


次の日は、普通のバイキングのモーニングでほっとしました。
しっかり珈琲を飲みまして、さあ、さらに高いところへ出発です。
なんて、母と私はバスにて終点の室堂というところまで。
父と弟はその行程を散策。
高原というだけあって広々とした空間が広がっています。
ぽつぽつと宿舎があったり。
着いた室堂というところは、それは高い高いところでした。
高台へ登るとまわりは咲き終わったチングルマの草原です。
上からみだがはら池を見下ろすと、
どんよりとした緑色の池が静まっていて、
転げ落ちたらどうしよう?などと考えてしまいました。
ここから先は、本格的な登山コースになり、
山男、山ガールたちがたくさん集っておりましたよ。
黒部ダムへ抜けるコースもあり、ツアーの方も多く見られました。
さて、散策組はライチョウに遭遇したり、と充実して楽しかったようで、
嬉しそうに、遅れてやってきました。
合流したら、もう後は帰るのみ。
ほんとうに残念なことなのですが、こういう自然に囲まれても、
高い峰々を観ても、感動しない自分がおります。
すごく冷めていて、早く地上に戻りたくてうずうずしておりました。
父も母も山が好きで、弟は昆虫観察が趣味なので、
野山に出るのが大好きです。
なぜ、私が自然を楽しめないのか、不思議がられています。


帰り路は、行きの逆をそのまま戻りました。
ただ違うのは、金沢で美味しいものを食べようという企画です。
駅ナカの山さんというおでん屋さんに入りましたが、
これが絶品というほどの美味しさで、
金沢奥が深し~と感動しておりました。
私は金沢は2回目ですが、もっと探検してみたい場所です。
そうそう、途中の富山では少し時間があり、
男性陣が飲んでいる間に、市電を眺めておりました。
市電・トラムが好きなので、富山でも乗ってみたいですね。
気楽な気分で道中も過ごして、最後までおしゃべりしていましたが、
旅にも終わりがありました。
家に帰りつくと、現実感とともに安心感が。


でも、旅とは見聞を広げるものでありますね。
立山がどういうところか、これで自分の意見を持つことができました。
所々にみどころあり。
それだけでも、よい経験ですね。