2011年2月13日日曜日

時々読書

「浦からマグノリアの庭へ」がとってもよかった小野正嗣さんの新作、
「夜よりも大きい」リトルモア を読み始めました。
小野さんらしいしっかりとした端正な文章と
シュールでねっとりとした描写のバランスが絶妙です。
“夜”の物語は不気味だったり、シュールだったり、
あまり美しい感じのしない作品が多いのはどうしてでしょう。
夜の美しさを描いた作品が読んでみたいです。
夜を書いた作品で思いつくのはセリーヌと松浦寿輝さんぐらいなのですが。

平行して青山七恵さん「ひとり日和」河出文庫 を読みました。
若手の女性作家の作品ということで、軽い気持ちで頁を繰ると、
なかなか手ごわい内容です。
題材はそれほど凝ったものではないのに、
舞台と人物がしっかりと書き込まれている。
主人公が息をし、新しい日々を送る様子が、
とてもリアルに響いてくる。
小説の一番大切なことがここに記録されている、そう感じました。

つづいて「ムーミン谷の冬」講談社文庫。
ムーミンたちってとっても思考がシンプルで愉快です。
その言動のストレートさがとても小気味良い。
現代社会への皮肉でもなんでもかまいません、
こういう風に生きてゆければ最高だ!と思うことができるのが、
このムーミン・シリーズの魅力です。

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