「鏡の国のアリス」 ルイス・キャロル著 河合祥一郎訳 角川文庫
こちらも「不思議の国」と同じく河合祥一郎さん訳のアリスです。
前回はトランプの国が舞台でしたが、
鏡の中に入り込んだ世界はチェスの世界です。
単純に言葉遊びを楽しむのもよし、
舞台の展開に身をゆだねるもよし、
あちらこちらに潜んでいる謎を解くのも面白い。
こちらには関西弁を話す奴らも出てきます。
可笑しすぎる。
あとがきを読みますと、
「不思議の国」以降のアリス、キャロルが辿った人生が、
語られています。
この本は幼い頃のあどけないアリスの姿を思い出しながら
書かれた本と考えてよさそうです。
子供のころに読んだときは少々気味が悪く感じられて、
あまり好きではなかったアリスの物語ですが、
楽しみ方がわかって、とても嬉しいです。
話の中にヒツジのおばあさんのお店が出てきます。
そこの店にあるものをアリスが覗き込むと、
ふっと消えてなくなってしまう。
そんなシーンがあります。
私たちにも経験のある、デジャヴュのようですね。
またまたおかしな童謡の譜面も載っていますし、
ジョン・テニエルの挿絵満載のとても贅沢な文庫本です。
チェスというと少し前に読んだ「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子著 が浮かんできて、
最低限度のルールだけ必死に思い出しながら、
読みました。
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