2011年11月23日水曜日

「鏡の国のアリス」


「鏡の国のアリス」 ルイス・キャロル著 河合祥一郎訳 角川文庫

こちらも「不思議の国」と同じく河合祥一郎さん訳のアリスです。
前回はトランプの国が舞台でしたが、
鏡の中に入り込んだ世界はチェスの世界です。

単純に言葉遊びを楽しむのもよし、
舞台の展開に身をゆだねるもよし、
あちらこちらに潜んでいる謎を解くのも面白い。

こちらには関西弁を話す奴らも出てきます。
可笑しすぎる。

あとがきを読みますと、
「不思議の国」以降のアリス、キャロルが辿った人生が、
語られています。
この本は幼い頃のあどけないアリスの姿を思い出しながら
書かれた本と考えてよさそうです。

子供のころに読んだときは少々気味が悪く感じられて、
あまり好きではなかったアリスの物語ですが、
楽しみ方がわかって、とても嬉しいです。

話の中にヒツジのおばあさんのお店が出てきます。
そこの店にあるものをアリスが覗き込むと、
ふっと消えてなくなってしまう。
そんなシーンがあります。
私たちにも経験のある、デジャヴュのようですね。

またまたおかしな童謡の譜面も載っていますし、
ジョン・テニエルの挿絵満載のとても贅沢な文庫本です。

チェスというと少し前に読んだ「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子著 が浮かんできて、
最低限度のルールだけ必死に思い出しながら、
読みました。

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