2011年11月16日水曜日
「特捜部Q キジ殺し」
「特捜部Q キジ殺し」 ユッシ・エーズラ・オールスン著
吉田薫・福原美穂子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ1853
前回の「檻の中の女」事件を見事解決した特捜部Q。
警部補のカールと助手のアサドに若くて有能でちょっとクセのある女性ローサが
加わって、さらにパワーアップしました。
そこへまたまた古い過去の事件がもたらされます。
それは暴力に満ちた事件。関連と思われる他の事件も浮かび上がります。
そこに関与していると思われるのは、
現在のデンマーク社会で成功している人物たち。
そこに過去の事件に関係し、姿をくらましているある女性が
からんできます。ここがみそ。
三つの場面が常に絡まって、
さらにスリリングな様相です。
タフで勘が冴えていて、好きな女性にメロメロで、
巧みな話術で人を引き付けることのできるカールがやっぱり主役。
筆者は非常に物語のコントロールが上手く、
その上、情にも篤いところが随所に見られます。
それがこの物語をさらに魅力的にさせているのでしょう。
ちょっぴし偶然のタイミングを派手に使いすぎの傾向もありますが、
ミステリに見せ場は必要でしょう。
すごく面白くて、納得できる結末で結ばれて、
特捜部Qのさらなる活躍を期待するところであります。
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