2012年7月7日土曜日

大雨と読書「燃焼のための習作」

昨日の日中から昨夜にかけて、
西日本で大雨と雷ゴロゴロでした。
今日は東日本で雨のようですね。
梅雨もそろそろ終わりではないかと思います。
もう一息です。

寒さが厳しく、寂しげな冬より、
疲れると言いつつも暑くて陽射しギラギラの夏の方が、
解放感があって好きです。

昨夜はようやく堀江敏幸さんの小説「燃焼のための習作」を
読み終えました。
「河岸忘日抄」に少し名前が出てくる枕木さんが主人公です。
想像にふさわしくゆったりとしていて、じっくりと対象を見つめて考える、
そして回り道をすることがあっても大切なことを見極める目を持った人でした。
その枕木さんとアシスタントというか、右腕の鄕子さんと、
訪問者の“くまのみどう”さんの3人が、
風雨が過ぎるのを待ちながら、体験談と、
その経験から思うことを話し合う、という筋立てです。
お互いに情報を小出しにしながら、謎解きもしていく部分もあるでしょうか。

率直に言って、頁数が多すぎるかな、という感じです。
文芸誌に発表された作品なので、頁数は決まっているのでしょうけれど。
場所と人物が醸し出す雰囲気は堀江さんならではという味わい深さで、
変わりありませんが、少々焦点がずれていく特徴が顕著に感じられました。

読んで感想を言うのは簡単なことだな、と思うので、
これくらいに。

いつもながら見事な造りの本で、手に取るだけでも堀江さんらしいと、
感心させられました。
“三種混合”(枕木さんの飲む珈琲)の跡がくっきりと。

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