去る10月9日、ポーランドの歴史を紡いできた映画監督である
アンジェイ・ワイダ氏が亡くなられました。
90年に渡る生涯の中で、
ポーランドの社会を描き、
のちには、文芸作品、
また歴史・政治映画を撮り、
美術映画作品も手掛けられていました。
なんといっても代表作は「灰とダイアモンド」1958年でしょう。
このレジスタンスを描いた作品は、
映画とメッセージが一体となったリアリティ溢れるもので、
若い頃に観た私にも衝撃的であったことを思い出されます。
ポーランド文化研究家の久山宏一氏は、
ポーランド民族は歴史の代弁者を失った。
祖国史の映像による表現-。
ワイダ以後を生きる映画人はこの難題への新しい解決を迫られる。
と述べられ、
あなたのいない世界をどのように生きていけばいいのか―。
私は今、途方に暮れています。
と締めくくっておられます。
戦後の世界を描き、引っ張ってきた方々の訃報を聞くたび、
これからの世界をどのように生きていくべきなのか、
私たちの模索は続くように思われます。
合掌
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