2011年11月30日水曜日

「世の中ラボ」斎藤美奈子


筑摩書房のPR誌「ちくま」に連載中の斎藤美奈子さんの「世の中ラボ」。
もう21回目になりましたが、毎回時事の話題をタイムリーに捉え、
テーマに沿った内容の3冊の本の紹介で成り立っているページです。

今回のテーマは“復興を語る言論人たちの論理2”。
3.11以降論議されているテーマは原発を始めとして、
経済復興、地方分権、福祉と人の活動、生活に関わる問題が
数多く語られているのはご承知のとおりです。
全てに目を通すことは実際難しく、
関心のある面だけにしかチェックできていない実態は、
憂うべきことです。

斎藤さんは震災以降の危機感について言及している本を
「脱原発成長論」金子勝著 筑摩書房
「日本の大転換」中沢新一著 集英社新書
「福島の原発事故をめぐって」山本義隆著 みすず書房
3冊選び出し、その内容を紹介、解説することによって、
社会論評の現状のパターンを読み解こうとしています。

わずか4ページの中にぎっしりとつまった重要な示唆。
最後に“上からの指示を待つ態度は、そもそも「革命」とは呼ばないのだ”と
括られており、政権の指針を待つだけの態度をとっているだけでは、
世界は変わらないことを述べられています。

こちらの内容は自分がどのように考えているか、
この先にはどのような態度をとっていくべきか、
具体的に書かれていますので、
どの方にも参考になるかと思います。
是非ご一読を。

2011年11月27日日曜日

写真を載せてみました


ようやく念願の写真を添付することができました。

でも思っていたのと少々違いが。
できれば、もう少し上品に、陰影のある、しっとりとした写真が
撮れればいいのですが、
実際には白っぽく、質感のない、薄っぺらい写真です。
悲しい。

カメラのバージョンが低いこともありますが、
採光の関係もあるでしょう。
蛍光灯の光はどうも白っぽすぎていけません。
夜に室内で撮影する方法を考えなくては。
夕方の窓辺の明るさをイメージしてはいるのです。

まだデジカメ初心者なので、
これから色々と試してみたいと思います。

2011年11月23日水曜日

「鏡の国のアリス」


「鏡の国のアリス」 ルイス・キャロル著 河合祥一郎訳 角川文庫

こちらも「不思議の国」と同じく河合祥一郎さん訳のアリスです。
前回はトランプの国が舞台でしたが、
鏡の中に入り込んだ世界はチェスの世界です。

単純に言葉遊びを楽しむのもよし、
舞台の展開に身をゆだねるもよし、
あちらこちらに潜んでいる謎を解くのも面白い。

こちらには関西弁を話す奴らも出てきます。
可笑しすぎる。

あとがきを読みますと、
「不思議の国」以降のアリス、キャロルが辿った人生が、
語られています。
この本は幼い頃のあどけないアリスの姿を思い出しながら
書かれた本と考えてよさそうです。

子供のころに読んだときは少々気味が悪く感じられて、
あまり好きではなかったアリスの物語ですが、
楽しみ方がわかって、とても嬉しいです。

話の中にヒツジのおばあさんのお店が出てきます。
そこの店にあるものをアリスが覗き込むと、
ふっと消えてなくなってしまう。
そんなシーンがあります。
私たちにも経験のある、デジャヴュのようですね。

またまたおかしな童謡の譜面も載っていますし、
ジョン・テニエルの挿絵満載のとても贅沢な文庫本です。

チェスというと少し前に読んだ「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子著 が浮かんできて、
最低限度のルールだけ必死に思い出しながら、
読みました。

2011年11月20日日曜日

ブータン国王夫妻の訪日

今週ずうっと気になって追っていたニュースは、
プロ野球の日本シリーズは別として、
ブータン国王夫妻の国賓としての訪日でした。

国民の幸せを第一の国の目標に掲げていることに関心があって、
今枝由郎さんの「ブータンに魅せられて」岩波新書を読んだりしていますが、
今はまだ実情を知らずにただ憧れとして存在する国ブータン。

ワンチュク国王はまだ31歳ととてもお若く、
結婚したばかりのジェツン・ペマ王妃は21歳とさらにお若い。

日本のメディアもかなり頻繁に取り上げてくれたので、
今回の訪日の様子も写真付きでかなり拝見することができました。

民族衣装もとても美しくて、
そして国王夫妻のたたずまいの美しさにも、
仏教徒としての手を合わせるお姿にも、
見とれてばかりでした。

世界は金融不安や、人種問題や宗教に絡む戦争危機、
温暖化による天候不順など、頭を悩ませる問題で一杯ですが、
この世の中でどのように国を動かしていかれるのか、
ブータンは小さな国とはいえ、大変貴重な指針を持たれていますので、
注目に値すると考えています。

山々に囲まれた緑豊かなブータンを一度は訪れたいものです。

2011年11月16日水曜日

「特捜部Q キジ殺し」


「特捜部Q キジ殺し」 ユッシ・エーズラ・オールスン著
 吉田薫・福原美穂子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ1853

前回の「檻の中の女」事件を見事解決した特捜部Q。
警部補のカールと助手のアサドに若くて有能でちょっとクセのある女性ローサが
加わって、さらにパワーアップしました。

そこへまたまた古い過去の事件がもたらされます。
それは暴力に満ちた事件。関連と思われる他の事件も浮かび上がります。
そこに関与していると思われるのは、
現在のデンマーク社会で成功している人物たち。
そこに過去の事件に関係し、姿をくらましているある女性が
からんできます。ここがみそ。

三つの場面が常に絡まって、
さらにスリリングな様相です。

タフで勘が冴えていて、好きな女性にメロメロで、
巧みな話術で人を引き付けることのできるカールがやっぱり主役。

筆者は非常に物語のコントロールが上手く、
その上、情にも篤いところが随所に見られます。
それがこの物語をさらに魅力的にさせているのでしょう。

ちょっぴし偶然のタイミングを派手に使いすぎの傾向もありますが、
ミステリに見せ場は必要でしょう。

すごく面白くて、納得できる結末で結ばれて、
特捜部Qのさらなる活躍を期待するところであります。

2011年11月13日日曜日

「特捜部Q」第2弾を入手

他の本を探しに行ったら、出ていました、
ユッシ・エーズラ・オールスン「特捜部Q キジ殺し」!

登場人物も興味深い個性的な人物たちだし、
第1弾の話の凝り方もなかなかなものでしたから、
これは楽しみです。
登場人物に入れ込むことができるミステリって、
とても読みがいがあります。
普通の小説と同じように読んでしまうので、
結構肩が凝ってしまうのですが。

現在仕事の方が目いっぱい詰まっているので、
気分転換にいいってことにして、
カールたちと仕事してきます。
デンマークの空気もいいですね。

2011年11月9日水曜日

「スワンの恋」を読みながら

少しだけプルーストを読みすすめました。
第2巻の「スワンの恋」の真っただ中です。

スワンという人は実に謎の人物です。
上流社会に出入りするというからにはそれ相当の身分とマナーを心得ており、
博識であり、上品であるという条件を備えているわけです。
それが、いくらシスティーナ礼拝堂のボッティチェリのエテロの娘のチッポラに
似ているからといって、どうしてオデットなのでしょう・・・
これが恋というものの恐ろしさ。

ヴェルデュラン夫妻のサロンで、
そこに居合わせる人々の会話などを読んでいると、
中流社会のサロンで行われていた社交生活の様子が目に見えるようです。
決して感心できるものでもありません。
現代のパーティなどと比べればそれは上品なものですが。

プルーストを読んでいて面白いのは、
こういった行動や会話の中に潜む人の心の動きをあれこれと表現しているところですね。
登場人物の人柄のみならず、その人の品格まで表れてしまいます。
ただ、とにかくそれが延々と続くので、
ずっと読み続けると知らぬ間に違う場面に展開していたりして、
スピードに気持が付いて行かなかったりします。
脳の老化のせいかしら。

しばらくスワンの恋のロマンテックさに酔いしれ、
その行方を追いかけていこうと思います。