2012年3月29日木曜日

「本の音」


「本の音」 堀江敏幸著 中公文庫

この小さな本を読み終えるのにすっかり5か月もかかりました。
ここにあるのは書評集ではあるのですが、
感想でもあり、批評でもあり、評論でもある内容の濃いものだからでしょう。

一つ一つの作品にすっぽりと入りこみ、
堀江さんの頭脳というフィルターにかかって表れる言葉たちは、
そう簡単に噛み砕くことはできません。
その上に感情もラム酒のように染み込んでいるのです。

ほとんどは読んだことのない本なので、
読書はなおさら難しくなります。

一つ一つの書評はその都度いったん閉じられています。
そこをまた再び山を登るように歩き出すのでした。

それでも堀江さんの紡ぎだす言葉に誘われて、
少しずつぽつりぽつりと進んでようやくフィニッシュ。

これほど内容の詰まった本が文庫本になっているなんて、
とても贅沢なことだと思いつつ、
本を眺めています。

おかしな写真ですが、かんべんしてください。
なかなか上達しないままで申し訳ありません。

2012年3月25日日曜日

須賀敦子さんの年譜を読む

昨夜になって急に須賀敦子さんの命日は3月だったことを思い出し、
全集8巻を取り出して調べてみました。
松山巌さんの詳細な年譜によると、1998年の3月20日に亡くなられています。
もうそんなに時間が経っていたのでした。

神戸にあるお墓には知人とお参りをさせていただいたことがあります。
その後もう一度一人で伺いました。
遠く海の見える生まれ故郷に帰ってこられた須賀さんは、
ご家族と一緒に眠っておられます。
もう少し暖かくなったら、再度お会いしに出かけたいと思っています。
魂をお慰めすることが最も大切なのですが、
自分を叱咤激励していただくためのようなものです。
まったく面識もない一人の馬鹿者がお訪ねしても迷惑だとは思いますが。

昨夜はそうしてしばらく年譜をさかのぼりながら読んでいたのでした。
40歳を過ぎて、東京へ帰ってこられてからも積極的に動いておられます。
翻訳や執筆、授業、エマウスの活動、人との会合など、
実にお忙しく、充実されていたと思われます。

そこに至るまでのイタリアでの生活も辿ってみました。
ローマへの留学、ダヴィデ神父との面会、コルシア書店の活動への参加、
ミラノへの移住、そして結婚。
その間にも現地の日本人との方々との交流や、
神学の勉強、執筆、翻訳と地道に勉強をされていたようです。
長い間、神学や文学を中心とした勉強をコツコツと重ねておられた結果、
英語、フランス語、イタリア語と語学もさらに磨きをかけられて、
知らずとも自らを成熟へと導いておられたのでしょう。

基本的に須賀さんは人との交流がお好きだったのではないでしょうか。
広い人脈はカトリック関係の人々を中心にさらに広がっていたようですし、
門戸を広げられていたように感じさせられます。

イタリアでの生活以後のことは、のちに書かれた作品のベースになっていますので、
私たち読者は作品を念頭に置きながら、年譜を追うことになります。

残された日記を読むと、普通の人と変わりのないように
須賀さんも迷ったり、悩んだりされていたようですが、
まず芯となるもの、核となるものが出来上がりつつあった頃の日記ですから、
その強さに驚かされます。
一人外国に出かけ外国人の間で暮らしたこともその強さを育てる理由になったでしょう。

それにしても、イタリアの生活とイタリア留学以前のフランス留学、
カトリックの洗礼を受けられたことが後々の基盤となっていることを考慮すると、
やはり幼いころからの環境や、育ち方、成長期の過ごし方などが、
須賀さんの生き方に大きく影響を及ぼしているはずだと思われます。

作品のなかでは、するすると流れるように、自明のことのように感じられますが、
須賀さんはそういった自分を作り上げた背景をどのように捉えていたのでしょうか。

あの魅力あふれる作品を繰り返し読み、
その人間性や生き方まで関心を引かれるのですから、
須賀さんは自分にとってはあまりにも大きな人間なのでした。

仮に理解できたとしても、須賀さんに及ぶことは全く無いわけですし、
何のために須賀さんの本や人生について考えているのかわからないといえば、
不明ですが、追いかけるようにしてでも、そのように強く生きてみたいと
思わさせる須賀さんの人生なのです。

2012年3月22日木曜日

柄谷行人さん「なぜ古典を読むのか」

朝日新聞日曜版で1年間続いた「読みたい古典」。
上下二回にわたって識者が様々な古典を読み解くシリーズでした。
いつでも読めると思って、
気になった本のときにしか目を通していなかったのですが、
最終回がやってきました。

ここで基本に帰って「なぜ古典を読むのか」、
柄谷行人さんが語っています。

http://book.asahi.com/reviews/column/2012032100009.html

気になった言葉は、
“現実から遊離した思想を否定するなら、それは現実肯定に堕する。
 読み手も現状の枠組みから飛び出て考える、能動的に本に参加
 しないと見えてこないことがある。”

頷きながらも困難なことだけに真似はそうそうできない。
当たり前のことのだけど、こういう発言にはなかなか出会えない。

以前から柄谷さんの発言には感心があるにはあるのですが、
とてもそこまで読書は及びません。
でも基本を学び、オリジナリティを発揮させるためにも、
たくさんの古典や考えることを促す本を読まねばなりません。
飛び立つのはさらに難しいのですよね。

2012年3月20日火曜日

助かる連休


今日は祝日で明日は定休日と連休です。
一日出勤しただけでぐったりしてしまったので、
ほんとに助かります。
今日も一日ほとんど寝ていました。
本を手に取ってベッドにもたれかけただけで、
うとうととしてしまいます。
起きているときも何にも手につかない。
いわゆる鬱ですな。
薬も飲んでいるので、頭を休ませること以外方法がありません。
焦らず、のんびり、マイペースを合言葉に、
御病気の方々、ゆっくりやっていきましょう。
(同じ病気の方で読者の方はいらっしゃるでしょうか・・・)

昨日はもう店頭に並んでいるとの情報を得て、
堀江敏幸さんの新刊「振り子で言葉を探るように」毎日新聞社を
買いにいきました。
書評を集めた本で「本の音」に収録されなかったものも含んでいるからか、
分厚い、重い、読み応えありそうです。
きっと大好きなミシェル・ビュトール「心変わり」の
あの素敵な書評も載っているでしょう。
目次をみているだけでわくわくしてしまいます。

3週間近く遅れて今頃梅の花が満開です。
梅は色が華やかですね。
家の梅は今年はあまり咲いていませんが、
ミニミニラッパ水仙が可愛いので写真を撮ってみました。

2012年3月18日日曜日

日曜日


7時一度目が覚めるが、薬を飲んで再び眠りに入る。
12時もうろうとしながら起きる。
デジュネ。休みの日のお昼は両親と一緒にパンをメインとした
卵や野菜たっぷりの健康的な食事を食べる。
洗濯をして昼寝。
身体も頭も重くて、一日中寝ていた。
ベッドに横になっただけで寝てしまう。

夕食後ようやく頭が回ってきた感じ。
今のうちにちょっとは本を読もうか。
日曜日の日経・朝日・毎日に加えて、
ネットで読売新聞の書評もチェックしている。

ミラン・クンデラの新刊「出会い」が朝日で取り上げられている。
一応読んでおきたいのだが、どうしたものか。
岩波文庫も読みたい新刊が目白押し。
ジャン・ジオノ「丘」は先日読んだ「木を植えた男」に続いてタイムリーだ。
どんな人生を送るか、どのように世界を捉えるか、そういったことを
教えられるような気がする。
それならばやはりパヴェーゼの「流刑」も必須だろう。
パヴェーゼの独特な埃っぽい感じが実は好きではない。
しかしイタリアの戦中を生き抜いた知識人としての作品は、
読んでおいたほうがいいように思う。
雰囲気は一転して「ウェイクフィールドの牧師」。
これは「若草物語」でジョーがこっそり読んでいて大笑いしてしまったという、
あの小説だ。どんな話なのか興味深々。

みすず書房にも読みたい本が次々出ている。
これはセレクトをしっかりしていつか注文しよう。

今月は堀江敏幸さんの新刊が2冊出る予定。

本命を読むことが大切なのだが、
何故か手元には借りた本が数冊あって、
これをクリアしないと申し訳ないので、
一応目は通しておこうと思う。
写真はそういう本たち。

2012年3月17日土曜日

土曜日

7時起床。昨夜は22時半には寝たのでだいぶ楽。
外は雨。予報通りだ。パンとコーヒーの朝食。
土曜日のダイヤを考慮して出社。

午前中は支払処理やら、経理処理やら、
外注の書類の処理やらをせっせことこなす。
割と早めにクリアできた。
ランチはいつものカスクートとイチジクパンと紅茶。
午後一番に恐ろしい眠気がやってきて、
誰もいないことを幸いに15分くらい仮眠。
後はすっきり、めんどうな年度末関係の書類作成の仕事にかかる。
2種類ほどのそのような書類を片付けて終了。
今週も終わった。
昨日はかなり前頭葉が石が乗っかったみたいに痛かったので、
今日の具合が心配だったが、どうにか乗り切った。

隣の頓智おじさんとチェルシーの新製品の交換をした。
なぜかチェルシーが好きらしい。
こちらも新製品が出ているとついチェックしてしまうので、
面白がって感想を言い合っている。
アロマというタイプは芳香剤の匂いがするとか言っていたが、
これは頓智を通り過ぎていると思う。

帰宅して、家族そろってワインを開けてミニ宴会。
笑いがはじける。

今夜も本を読まずに終わってしまう。
本を読むことで、色々なことがリセットされたり、
気分が前向きになったり、ちょっとは考えたりと、
本を読む良さはたくさんあるのに、
普段はなかなか時間が取れないのが悩み。

2012年3月16日金曜日

金曜日


7時起床。パンとコーヒーの朝食。
肩を丸めて(猫背なので)出社。
やりかけの仕事などを片付けて、
大阪の本社へ書類を届けに出かける。

お昼はめずらしく石焼ビビンバとギョーザ入りスープの韓国メニュー。
朝から寒気を感じていたので温まろうと考えたから。

昼過ぎに事務所に戻り、
色々なバリエーションのデータ入力。
ネットのニュースで吉本隆明氏が亡くなったことを知る。
現代社会を代表する不死身の思想家がついに鬼籍に入られた。
戦後の知識人、思想家、学者が次々とこの世を去っていかれる。
そのあとに続く戦後生まれの人たちがどのように振る舞い、
有意義な意見を述べていくのか、社会が見守っていかなければならない。

帰宅後、明石から頂いたいかなごの釘煮をのっけて美味しい白米を食べる。

9時には菊屋のおはぎも届いて、またまた時間外のおやつ。美味しい。

毎晩9時ごろになるとMおじさんからショートメールが入る。
その日の仕事のねぎらいと、おやすみコールなのだが、
駄洒落まじりなので、わけがわからないことが多い。
今夜は“せんちゅうにはっさく”。???
わからなくても有難く挨拶を返信することにしている。