2012年3月29日木曜日

「本の音」


「本の音」 堀江敏幸著 中公文庫

この小さな本を読み終えるのにすっかり5か月もかかりました。
ここにあるのは書評集ではあるのですが、
感想でもあり、批評でもあり、評論でもある内容の濃いものだからでしょう。

一つ一つの作品にすっぽりと入りこみ、
堀江さんの頭脳というフィルターにかかって表れる言葉たちは、
そう簡単に噛み砕くことはできません。
その上に感情もラム酒のように染み込んでいるのです。

ほとんどは読んだことのない本なので、
読書はなおさら難しくなります。

一つ一つの書評はその都度いったん閉じられています。
そこをまた再び山を登るように歩き出すのでした。

それでも堀江さんの紡ぎだす言葉に誘われて、
少しずつぽつりぽつりと進んでようやくフィニッシュ。

これほど内容の詰まった本が文庫本になっているなんて、
とても贅沢なことだと思いつつ、
本を眺めています。

おかしな写真ですが、かんべんしてください。
なかなか上達しないままで申し訳ありません。

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