2014年3月19日水曜日

本にまつわるニュース 日経夕刊から

日経新聞3月17日月曜日の夕刊には、
「小説、社会の真実を探る」という見出しで、
小説が社会に関わっていく方向性について
大きく紙面がさかれていました。


現在活躍中の各国の作家たちが集まったシンポジウム
「東京国際文芸フェスティバル」の内容が主になっています。


「単なる歴史上の事実ではなく真実を伝えることを大切にしている」
というアメリカのユダヤ系作家ネイサン・イングランダー氏。


「解決できない問題があるから小説を書いている。」
韓国のキム・ヨンス氏。


「多くの人が考えているのと違う価値観を示すのが作家の役割」
平野啓一郎氏。


「第150回記念芥川賞・直木賞フェスティバル」にも、
受賞作家たちが参加されて、対談を行った模様です。


「人間の本質は悪だと思う。だから共同体で抑えている。
そこを一枚はいでやろうと考えている。」
桐野夏生氏。


小説の成せることはとても大きく広く、深いことがよく伝わると思われました。


そして3月18日火曜日の夕刊には、
マルグリット・デュラスへの関心が高まっているという記事がありました。


デュラスの多様な作品からは、
様々なテーマが潜んでおり、
改めて読まれる機会となっているようです。


「愛と欲望を描くという仏文学の伝統に立ちながら、
革新的な現代文学を生み出した作家」
パリ第3大学 ベルナール・アラゼ准教授


「デュラスの作品を読めば、原発事故による放射能の拡散という
『緩慢なカタストロフィー(破局)』を前にして文学作品を書く意味を
問わずにはいられない」
東京大学 小林康夫教授


秋には河出書房新社から新訳本、インタビュー集、特集本などが
出版されるそうです。


デュラスに関しては、個人的にとても関心があって、
そして文体もとても好きなのに、
中途半端な状態にあって、読み込んでみたいと常々思っています。
じっくりと読むチャンスかもしれません。


さて、日経の夕刊、今日3月19日(水)は
松浦寿輝氏のインタビューでした。


詩人でもあられる氏が、
現代詩があまり読まれていない現状について、
答えています。
直近の本「詩の波 詩の岸部」(五柳書院)では、
詩の読み方について書かれているそうです。


詩が苦手な私としては、
なんとも言えないないのですが、
また考えることにいたしましょう。


3日間続けて本が取り上げられていて、
且つ、好きな作家ばかりとあって、
とても充実した紙面にご満悦でありました。

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