小さい時から、よい絵本を与えてもらっていたからか、
紙質や、本の作りなど、手触りで感じるところがとても気になります。
小学校の図書館で手にした本は、
紙が厚くて、活字がおおざっぱで、
デザインが目立つ仕立てのものが多くて、
出版社によって違いがあることに、
早くから気が付いていました。
栃折久美子さんの「モロッコ革の本」を読んで、
本格的にルリユールをしてみたいと思った時期がありました。
よい紙を使って、きれいな活字を組んだページを綴じて、
丁寧にかがり、シックな色の花切れをつけて、
開きやすいゆったりとした表紙をつけてみる。
表紙は革ではなく、紙を使う。
などと、想像したりしていました。
ある先生のエッセイ本で、
おそろしい装丁のものに出会ったことがあります。
まず、開かない。
横幅が狭く、のどが開かないので、全く読めない。
本失格の可哀そうな本でした。
その本をバラバラに解体してはみたものの、
どうしようもありませんでした。
今も店頭に並んでいるので、
出版社は何を考えているのか、不明であります。
丁寧につくられた本が大好きです。
しっかりとしていて美しいのは、児童書の福音館の本。
一般の本では出版社というより、装丁によって変わってくるようです。
みすず書房の本はシンプルなデザインですし、
間違いがありませn。
とても興味深い本がたくさんあります。
小さな出版社で、美しい凝った本をだしておられるところもあるようですし、
詩集などもこだわりのある本があるように思われます。
一度、本作りのレッスンに行ったことがありました。
文庫本を作り直して、表紙を作る。
この話は前にもしたような気がします。
初心者向けですから、少々物足りなかったのですが、
本を作る作業は自分には向いていない!ということが、
よくわかった一日でした。
予算的に難しく、よい装丁の本でない場合もありますね。
そういうことがわかったときには、
文庫本になるまで待つことにしています。
手に収まる文庫本は大好きです。
手の中に小さな宇宙!
文庫本にもいろいろな装丁のものがありますが、
ちくま文庫や中公文庫が読みやすいでしょうか。
読みにくいけれど、古風な岩波文庫は捨てがたいところです。
以前本屋さんで仕事をしていた時に、
新刊で100万円という豪華本を見せてもらったことがあります。
もちろん注文制作でした。
それはそれは、大きく、美しい、豪華な本でしたが、
なんだか、こういった本は読まれる本ではなくて、
観る本という気がして、あまり感心しなかったのでした。
本も色々、
人も色々、
自分の身の丈にあった本と出合いたいものですね。
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