2018年2月25日日曜日

エーコを読んでみたいなどと考えていた日曜日

今日は日曜日。
まだまだ気温は低めですが、
奈良の桜の蕾も少し緑がかって、
梅が咲くのももう一息です。
陽の射す感じも春めいてきたような。
冬のピークを越えて、
少しほっとしますね。


今週後半は、膝の腫れや両手の腱鞘炎に苦しんで、
痛み止めのお薬もあいまってか、
ふらふらで過ごしておりました。
ですので、今日のお休みはありがたくゆっくりさせていただきました。


夜なって、必要なメールをチェックしたり、
作業をしたり、
楽しみにしている知人たちのブログやサイトをチェックしていたのですが、
なぜか、あまり更新されておらず、
じゃ、せめて私は一筆でも、と思った次第です。


ウンベルト・エーコ。
もちろん、「薔薇の名前」から気になっているわけですが、
ここにきて岩波書店から出版された「女王ロアーナ、神秘の炎」で
テンションアップしております。
とても美しい本なのです。
手に取って、これは読むというより、手に入れたい、と。
でも、その本は読むためにあるのですから、
読めないと意味はないですね。
「薔薇の名前」よりか、読みやすいという「パウドリーノ」か。
読める本か、ハマる本か、それとも遠い本なのか。
エーコさん、どうでしょう?


現在、考えなければいけないことがたくさんあり、
おまけに、ぼぅっとする時間には、音楽タイムなものですから、
本を読むことが少なく、
インプットしたくなった時にだけ、気分にあいそうな本を読んでいます。
昨日は、柴崎友香「春の庭」をようやく読んでみました。
ずいぶん昔に書かれた本を読んだときにも感じたのですが、
とても冷静な筆致なのですね、この方は。
視点の動きや、場の写し方など、展開なども含め、
とても丁寧に書かれた、それでいてさりげなさも好感の持てる作品です。
作品としては申し分ない、のですが、
個人的には、もう少し柔らか味とぬくもりが欲しいところで、
ちょっと違うかな?と感じました。
あくまでも個人的な嗜好の問題です。


ここのところ気になるもう一点は、
小川洋子さんの新作が次々と並んでいるところです。
文庫になることは重々わかっているのに、
読んでみたいのです。
小川さんのファンというほどではありません。
「博士」や「ミーナ」「アーケード」などは、あまりしっくりとしませんでしたし、
初期の作品は苦手だったりします。
ただ、好きな作品はとことんお気に入りになるので、
眼が離せない、というところです。
贅沢な悩みとは知りつつも、また本屋さんで悩むことになるでしょう。


お疲れ気味なので、
堀江さんの本は手をつけないままでいます。
ぼんやりとして読むのはもったいないですから。
新刊も出ていますが、本屋さんに行けておりません。
また、のんびりと本屋さんに遊びに行かねばなりません。
一番好きなところですしね。

2018年2月14日水曜日

「変動帯に暮らす覚悟」 「図書」より

「図書」2月号に、
地球科学がご専門の巽好幸氏による
「変動帯に暮らす覚悟」という記事が掲載されています。


これは、日本という国がどういう場所にあり、
そのために、どのような事象が起こり、
また、どのような恩恵を受けてきたか、綴られているものです。


簡単に説明してしまいますと、誤解を招かれないものでもあるので、
あえて避けたいと思います。


日本人はこの日本という土地で、どのように生きてきたか、
災害にどのように対処してきたか、
また、この風土を受け止めつつ生まれた独自の世界観等、
考察は多岐に渡ります。


基本的にはこの土地のあるがままの事実を述べられているのですが、
これを冷静に捉えることが、第一の姿勢だと思います。


メディアでは、恐怖をあおり、責任の所在を中心に報道されますが、
この土地で生きていく限り逃れることのできない事実を、
まず受け止めたいです。


本当に厳しい自然環境であり、
試練をもたらしてばかりいるような土地柄ですが、
何の不安も無い土地なんて、あるでしょうか?


地球が生命を持った星である限り、
私たちもそれをともにしなければならないのです。

2018年2月13日火曜日

「特捜部Q 自撮りする女たち」

「特捜部Q 自撮りする女たち」 ユッシ・エーズラ・オールスン著
吉田奈保子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ


お待ちかね、特捜部Qの最新刊です。
あれから、マークは?アサドは?ローサは?どうなっている?
登場人物のその後も、特捜部Qのその後も、気になる、気になる。


そんな関心から読み始めるのですが、
さっそく、いつものスタートと同じ過去の暗いエピソードから幕を開けます。


この小説の面白さは、多岐に渡ります。
その都度、事件の容疑者、加害者の行動や心理状態がしっかり描かれ、
なぜ、そういうことをするに至ったか?
なぜ、そういう行動をとったのか?
なぜ、そういう結果となってしまうのか?
クラシックなミステリではあまりオープンにされない彼らの状況が、
読者に伝わるようになっています。


で、彼らの次の行動が主人公マークたちの動きと並行して展開します。
つまり、事件を追う特捜部Qと警察の奮闘を縫うようにして、
新しい事件が起きようとするのです。
そして、事件は、常に現代の社会問題を浮き彫りにしているので、
生々しく感じられるのです。
共感できる部分もあったり、同情したり、アホかと思ったり、と、
はらはらどきどきです。


過去の事件を追う特捜部Qが動き、
それに絡まって直近の事件を捜査する警察。
そして、警察内部の力関係。


今回は、これまで不可解だったローサの過去問題も一緒に解かれていきますから、見逃せません。
もうローサ無しでは回らない特捜部Q。
大切な仲間です。


いつものとおり、あれもこれも繋がって、
いつもの登場人物たちもあれやこれやと関係して、期待を裏切りません。


そのうえ、嬉しいことに、ラース・ビャアンから一本取れましたし、
ハーディの体調にも前進が見られました。
ローサも危機を脱出すれば、明かるい未来が願えるようになるでしょうし、
もしかしたら、愛しのモーナも・・・。


登場人物と表現すると退屈なもので、
キャラクターの色が濃い、と言い切ったほうが面白いでしょう。
皆々、個性的なのです、いや、やりすぎか、というくらいです。


このように、複雑に絡み合う時間進行と事件と人間関係ですが、
うまく収めてあるというのが、著者の見事な腕でしょう。


今回、ただ一つひっかかったのは、
ローサと××さんが隣同士というのが、不自然ですね。
ローサは警察に務める若い独り者。
××さんは大金持ちの年長者。
デンマークでは不思議ではないのでしょうか?


期待どおりに、終盤は大劇場と化します。
読者は、やっぱりそうだよね~などと思いながら、
マークたちをいたわって、読了。
で、これからどうなるの?と気になるように仕掛けてあるのも、
いつものとおり。


その都度、今回が一番面白い!と思わされるのも、
凄いところです。


もうベストセラーですから、ミステリ好きの方はご存知でしょうが、
ミステリをお読みでない方にもおすすめです。


2018年2月10日土曜日

石牟礼道子さん 逝去

「苦海浄土」で知られる作家の石牟礼道子さんが10日、逝去されました。


人間として一度は読んでおくべき本の一冊として、
ずっと思いつつも、読めずにおります。


石牟礼さんのことを語るとき、
水俣病を避けるわけにはいきません。


読めずにいるには理由があり、
その理由もお話しすることはできませんが、
石牟礼さんのなされてきたことが、いかに大きく重要なことであるか、
理解しておかねばならないでしょう。


大きな石のように私の心にある存在。


生きているあいだに、石牟礼さんのお仕事を見せていただかねばなりません。


合掌



2018年2月8日木曜日

アシュラ・ル・グウィンの逝去

去る1月22日、作家として名高いル・グウィンさんが亡くなられました。
88歳であったとのことです。


多くの作品があり、
フェミニストとしての側面もお持ちでした。
とはいえ、私自身は作品の一部からその部分を垣間見ただけですが。


子供のころから、猛々しいタイトルの「ゲド戦記」の存在は知ってはいたものの、
争いごとの物語は遠巻きにしていました。
20歳ごろでしょうか、岩波書店から文庫版が出たのは。
何気なく読んでみようか、と思い、手にしました。


すぐに魔法にかかってしまったことはいうまでもありません。
本当に素晴らしい本でした。


読んでしばらくは酩酊状態に陥りました。
それだけインパクトが強く、とても子供が読むものとは思えないくらいでした。
もしかしたら、大人になった人間が頭を打つための本かもしれません。


続刊も読むに至りましたが、
最初の一冊目ほどの衝撃はありませんでした。
どちらかというと社会批判的な側面があるように思われます。
それでも一大絵巻としての素晴らしさには感嘆させられました。


もともと生きるものの成長を描いた作品には誰しもが魅せられる時期が
あるように思われます。
私は子供のころから伝記ものが大好きでしたし、
今もとても好ましく感じられます。
読み方、受取方には違いは年齢に伴い変化がありますが、
この「ゲド戦記」は、まさに迷い子だった時期だっただけに、
あの驚きは今でも鮮明に思い出されます。


この第一冊目は、自分との闘い、出会い、誕生です。
とても激しく、すさまじさもありますが、
純粋にこの力強さには地響きを感じられることでしょう。


アニメの映画も存在しますが、
まったく別物と考えたほうがよさそうです。
良い話を聞いたことがありませんし、
作者自身も否定しているということでした。


今は岩波少年文庫で読むことができます。
大人の方こそ、ぜひご一読を。
作品を読むことで、
ル・グウィンさんを追悼することとなるでしょう。



2018年2月4日日曜日

今年の風邪とインフルエンザ

先週は風邪で寝込んでしまっておりました。


朝目覚めると、とてもしんどく、むかつきがひどく、目がまわるようでした。
幸い休みの日でしたので、再度眠ることにしました。


次に目覚めると、もう食べ物をみても胸がいっぱいで、
口に運ぶことができません。
どうにか、押し込んだものの、しばらくして、戻してしまいました。
こういうことは滅多とありませんから、自分でもわけがわからず。
身体もしんどいので、熱を測ると38℃。
風邪なんだ、とようやく自覚しまして、眠ることにしました。


こんこんと寝続け、翌朝、内科のお医者さんへ。
インフルエンザ検査では陰性でしたので、ほっと一息です。
でも、まったく食欲が無く、むかむかしたままで、
熱のため、身体もしんどく、頭もイタイ。
喉通りがよいだろうとプリンとポカリスエットを買って帰り、
ふたたび、寝始めました。
この日は、お休みするしかありませんでした。


次の日、まだ様子が変わりません。
まだ食べられず、熱も引かず、とてもしんどい。
というわけで、会社に電話し、仕事に支障がないことを確認して、
またまたお休み。
この日も一日寝ておりました。


三日目、ようやくお薬も効いてきたのか、
起き上がることができましたが、まだ食欲はほとんど無し。
この日は定休日だったので、助かりました。
少しずつ身の回りのことをして、明日は出社必須なので、
調子を取り戻せるように、身の回りことなどをしていました。
夜にはお雑炊をちょっと食べて。


四日目、ほぼ無事に出社し、
一日仕事をしてくることができました。


という風邪ひき事件だったのですが、
まわりの人の話を聞いていると、今年のインフルエンザもお腹にくる、
ということで、まったく食べられない、らしいです。
B型は熱も低めで、人によっては楽なくらいだそうですが、
A型の人はたいへんな様子。
今年はいつになく、まわりでも多いのです、インフルエンザと風邪ひきさん。


厳しい寒さが次から次へと押し寄せてきますし、
体調をくずしやすいのかもしれませんね。


まだ2月初旬、お彼岸まではかなりあります。
みなさま、日頃の疲れなどから襲われることもあるやもしれません、
どうぞお気をつけてお過ごしください。