2018年2月13日火曜日

「特捜部Q 自撮りする女たち」

「特捜部Q 自撮りする女たち」 ユッシ・エーズラ・オールスン著
吉田奈保子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ


お待ちかね、特捜部Qの最新刊です。
あれから、マークは?アサドは?ローサは?どうなっている?
登場人物のその後も、特捜部Qのその後も、気になる、気になる。


そんな関心から読み始めるのですが、
さっそく、いつものスタートと同じ過去の暗いエピソードから幕を開けます。


この小説の面白さは、多岐に渡ります。
その都度、事件の容疑者、加害者の行動や心理状態がしっかり描かれ、
なぜ、そういうことをするに至ったか?
なぜ、そういう行動をとったのか?
なぜ、そういう結果となってしまうのか?
クラシックなミステリではあまりオープンにされない彼らの状況が、
読者に伝わるようになっています。


で、彼らの次の行動が主人公マークたちの動きと並行して展開します。
つまり、事件を追う特捜部Qと警察の奮闘を縫うようにして、
新しい事件が起きようとするのです。
そして、事件は、常に現代の社会問題を浮き彫りにしているので、
生々しく感じられるのです。
共感できる部分もあったり、同情したり、アホかと思ったり、と、
はらはらどきどきです。


過去の事件を追う特捜部Qが動き、
それに絡まって直近の事件を捜査する警察。
そして、警察内部の力関係。


今回は、これまで不可解だったローサの過去問題も一緒に解かれていきますから、見逃せません。
もうローサ無しでは回らない特捜部Q。
大切な仲間です。


いつものとおり、あれもこれも繋がって、
いつもの登場人物たちもあれやこれやと関係して、期待を裏切りません。


そのうえ、嬉しいことに、ラース・ビャアンから一本取れましたし、
ハーディの体調にも前進が見られました。
ローサも危機を脱出すれば、明かるい未来が願えるようになるでしょうし、
もしかしたら、愛しのモーナも・・・。


登場人物と表現すると退屈なもので、
キャラクターの色が濃い、と言い切ったほうが面白いでしょう。
皆々、個性的なのです、いや、やりすぎか、というくらいです。


このように、複雑に絡み合う時間進行と事件と人間関係ですが、
うまく収めてあるというのが、著者の見事な腕でしょう。


今回、ただ一つひっかかったのは、
ローサと××さんが隣同士というのが、不自然ですね。
ローサは警察に務める若い独り者。
××さんは大金持ちの年長者。
デンマークでは不思議ではないのでしょうか?


期待どおりに、終盤は大劇場と化します。
読者は、やっぱりそうだよね~などと思いながら、
マークたちをいたわって、読了。
で、これからどうなるの?と気になるように仕掛けてあるのも、
いつものとおり。


その都度、今回が一番面白い!と思わされるのも、
凄いところです。


もうベストセラーですから、ミステリ好きの方はご存知でしょうが、
ミステリをお読みでない方にもおすすめです。


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