お正月休み気分が抜けたと思ったら、
また連休です。
仕事まみれもつらいけれど、
休みぼけも困ります。
とりあえず、2冊読了。
「マイ・アントニーア」 ウィラ・キャザー著 佐藤宏子訳 みすず書房
19世紀末、アメリカの西部開拓時代にボヘミアからやってきた移民家族。
そこに目のきれいなアントニーアがいたのです。同じ汽車でやってきた“ぼく”は、
祖父母の農場で数年を過ごし、アントニーアの家族と近しく
お付き合いがあったのでした。
地元で育った“ぼく”は、大学に入るために新しい世界へと旅立ちます。
それから数十年、アントニーアと再会しますが、
彼女は変わらず美しい目をしていました。
自然にローラ・I・ワイルダーのことを思い出しますが、ローラより少し後の時代の話です。
この本には魅力的な女性が数人登場します。どの女性も自分に合った生き方を
選択し、それを全うしているところは、アメリカという国柄のなせる業でしょうか。
個人的にはアントニーア自身の魅力をもっと描いて欲しかったと思うのですが、
全体の構成上を考えれば仕方のないことかもしれません。
ゆったりと個性的な人々と豊かな自然を描いてあり、
キャザーの懐の深さを思わせます。
「赤朽葉家の伝説」 桜庭一樹著 創元推理文庫
千里眼の祖母、漫画家の母を持つ女性、その土地の富豪の一族の女性三代記と
説明書きがあったら、いったいどんなファンタジーが繰り広げられるのだろうと、
興味しんしんになってしまいます。
著者の桜庭一樹さんは読書家としても知られているので、どんな作品を
書かれるのかと関心がありました。
昭和の時代から平成にかけての、鳥取の小さな村の製鉄会社の一族のお話で、
時代背景をうまく反映させてあり、そして個々のエピソードがしっかり絡み合っている
こと、最後の章はミステリー仕立てになっているなど、大変凝った内容の小説です。
読み応えがありました。
一気に一日で読みあげて、ちょっとほっとしたのでありました。
もともと日本の小説は暗くて苦手なことと、
近頃生々しい小説はおっかなくなってきたのです。
読んで納得できることが大切なので、ある程度は仕方がありません。
さて、次は何を読もうかしらん。
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