2012年6月9日土曜日

「神秘の島」



「神秘の島」 ジュール・ヴェルヌ著 清水正和訳 福音館書店

遠い昔の児童書を整理していたら、
大好きだった本が出てきました。

ジュール・ヴェルヌ、49歳、1877年に発表された空想科学冒険小説です。

南北戦争さなかにリッチモンドから気球に乗って脱出を試みた5人のアメリカ人たちが、
南半球にある孤島にたどり着きます。
彼らが手元に何一つ無い状況から、知恵と友情と努力によって、
豊かな生活を営むようになるまで、が前半の大きなテーマです。

後半では新たな仲間を迎え入れるまでの経緯が描かれ、
海賊という敵の襲来にも遭うのでした。

常に命がけで探検に出かけ、
食糧の調達と生活のための必需品の基礎となるものを得るため、
野獣とも戦い、動物たちと接触し、島をくまなく歩き回るのです。

そして一つ一つ工夫を重ね、見事に生活に必要なものを
5人の手によって作り上げていくのでした。
彼らには信仰という大きな支柱となるものがあったことは、
重要なことです。

そういう彼らを見守る守護神のような存在が、
島には一つの秘密として隠されていたのです。
彼らがピンチの時には、必ず手を差し伸べてくれた人。
それは、思いもかけない人でした。
ジュール・ヴェルヌの愛読者なら知らぬものはいない、
その名も“ネモ艦長”。

ここまで述べるのは規則違反ではありますが、
この本が、ヴェルヌの作品の中で最も優れているのではないかと
考えているので、その理由の一つとして示したいと思います。

ヴェルヌは64冊もの作品を書いたそうです。
読んだことがあるのは代表作だけですが、
この無人島にたどり着いた5人の活躍については、
様々な分野の知識を盛り込んであり、
科学小説として価値も十分ありますし、
なんといっても人間のドラマが基本にあり、
どの年齢の人にもうったえる部分が強くあることを考えると、
もっと広く読まれてもいいのではないかと思われます。

福音餡書店から、今も同じ形で取り扱われています。
ぜひ児童書コーナーを覗いてみてください。





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