「現代小説クロニクル 2005-2009」 講談社文芸文庫
この巻はまさに現代小説満載で、
今活躍されている方ばかり登場します。
江國香織「寝室」
佐伯一麦「むかご」
平野啓一郎「モノクロウムの街と四人の女」
伊井直行「ヌード・マン・ウォーキング」
小川洋子「ひよこトラック」
吉田修一「りんご」
田中慎弥「蛹」
楊逸「ワンちゃん」
川上未映子「あなたたちの恋愛は瀕死」
青山七恵「かけら」
柴崎友香「宇宙の日」
作家それぞれの特徴がよくわかり、
比べるのも面白いです。
他の作品と照らし合わせてみるのもよし、
批評するもよし。
作品として圧倒されたのは、
田中慎弥「蛹」でしょうか。
芥川賞受賞時のコメントを思い出して、
なるほど、と頷きました。
楊逸「ワンちゃん」は、
中国人による日本語作品として注目されていますが、
作品そのものの力に驚かされました。
個人的に評価しているのは、
青山七恵。
もう冊数的にはかなり書かれていますから、
ファンも多いことでしょう。
柴崎友香「宇宙の日」は、
私自身も大好きなバンドROVOのコンサートについての
実体験小説。
基本的には同感ですが、
私個人としては、ROVOの持つ音楽性をもっと深めてほしかった、
そんなところです。
伊井直行「ヌード・マン・ウォーキング」には、
驚きがあり、
その後には、しみじみと感じ入りました。
この作家は初読でした。
楽しいこの「現代小説クロニクル」のシリーズもあと一冊となりました。
同時代の作品となると、
読む方もなぜか力が入り、手厳しくなってしまう、
それもまた面白いのでありました。
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