もう掲載が終了してしまっているので、
申し訳ないのですが、
3月22日まで10回掲載されていた
日経新聞 朝刊 十選 「バンドやろうぜ!」が
とても面白かったので、記しておきます。
空想で遊ぶ演奏会と副題がついたこの連載は、
作家のいしいしんじさんがセレクトした10枚の絵に、
ユニークなエッセイが添えられていました。
ルノワール「ピアノの前の少女たち」
マネ「笛を吹く少年」
カラヴァッジョ「リュート弾き」
マン・レイ「アングルのバイオリン」
大竹伸郎「零景」
ラ・トゥール「辻音楽師の喧嘩」
葛飾応為「三曲合奏図」
シャガール「空飛ぶアトリエ」
「空也上人立像」
マティス「ダンス」
画の登場人物たちに、
バンドやろうぜ!と声をかけるのですが、
それぞれが特徴のある画に、彫像、
一癖も二癖もあって、
そう簡単に参加してくれるかしら?
それをうまく取り込んでいくのが、
作家の筆のうまさです。
いしいしんじさんの作品は、
あまり関心を持てないでおりますが、
さすが人気作家だけあり、
腕は抜群とみました。
10回目のしめくくりの文章は、
楽しさ溢れるものですので、
引いておきますね。
“十枚の絵が手をつなぐこの世で唯一無二のバンド演奏。
音の高鳴りに合わせ、ダンスの回転もいっそう速くなる。
見ることは、聴くこと、踊ること。合奏に加わること。
絵が響き、音が輝く。
バンドはいま、音と光をたなびかせ、わたし、あなたと
手をとりあい、青い春の空を飛翔している。”
0 件のコメント:
コメントを投稿