うさぎさんの本を読むきっかけは、
佐藤優さんとの対談「聖書を語る」でした。
それまで、うさぎさんへの印象はあまりよくなかった、というのが正直なところで、
「聖書」という本を佐藤優さんとどのように語っているのか、
とても不思議に思ったのです。
「聖書を語る」を読んでみて、
まず、非常に正直で真剣に考えられる方であることがわかり、
佐藤さんの言う“プロテスタント的思考の持ち主”という点にも興味を持ち、
他の本も読んでみようと思い始めました。
最初に手をつけたのが、
「ババア・ウォーズ」のシリーズで、
赤裸々に書かれるうさぎさんの実態、に笑い転げました。
が、笑ってはいられない、自分にも隠れた実態、欲求があるだろう、と
思わされるスリリングなエッセイでした。
ここまで自分をさらけ出す、それもうさぎさんの凄いところです。
それから、
「聖書を読む」
「女子漂流」三浦しをんさんとの対談
「死を笑う」佐藤優さんとの対談
を読み、徹底的に根幹に突っ込むうさぎさんの姿勢に
圧倒されました。
よくわかってらっしゃるのです、ご自身のことも、客観的に。
「愛という病」
「女という病」
「私という病」この3冊も読んでみました。
それぞれに形式は異なりますが、
タイトルどおり、愛について、女についての考察、私という人間とは?、と
痛みを感じるほどの追及がなされています。
一人の女性がここまで真実を追い求める、
それは、中村うさぎという人間の特性からなるものだと思います。
病魔に倒れられてからの、
「他者という病」
「死からの生還」は、
私自身が読むコンディションが整っておらず、
読めてはいませんが、とても大切なことが書かれていると考えています。
そして、
「あとは死ぬだけ」という書名の本を出されました。
ご自身の人生を振り返った本。
常に、自分を見つめ、正直に生きてきた人。
それを言葉に置き換え、さらけ出すことを恐れない人。
凄まじいほどです。
うさぎさんのスタイルは、
受け付けられない人も多いかと思います。
あまりに心身すべてがリアルで、
遠慮は省かれているからです。
でも、女性でこのような作家はなかなかいないでしょう。
小説で真実を追求される方は多いですが、
社会における自身をさらけ出すことは危険なことですから、
ここまで書かれるうさぎさんを尊敬の念で見ています。
病身を押しながらの生活、執筆活動は大変なことばかりでしょうが、
うさぎさんをずっと応援していきたいと思っているのです。
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