2017年3月26日日曜日

青磁無紋水仙盆

東洋陶磁美術館で今日まで開催されていた、
故宮博物館所蔵の北宋汝窯青磁水仙盆展に行ってまいりました。


水仙盆が6点。
史上最高の作品とよばれるものは、
特別、ほんとに特別でした。
美しい透明感あふれる柔らかな青色。
プロポーションも完璧。
口縁のあたりの薄さも品が良く、
カーブが滑らかです。
貫入がほとんど見られず、
完全な形をとどめています。
そうなんです、完全、といっていいのでしょう。
11世紀末ごろのやきものが、
これほどの状態で保存されていたことも、
奇跡的だと思います。


二つ目は口縁部に銅製の覆輪があります。
それもアクセントになっています。
微妙に青の色が違います。


三つ目、汝窯水仙盆では最大のサイズというもの。
といっても、それほど大きくはありません。
しかしながら、これも欠けることなく保存するのは、
難しかったことでしょう。
やわらかな雰囲気があります。
青の色も優しい感じです。
そして、四つの足が削られています。
どうしてだろう?


四つ目、形は一つ目と似ていますが、
微妙に口の開き具合が異なります。
色も少し緑がかっているように見えます。


五つ目、汝窯水仙盆は世界に約90点が存在するそうです。
そのうちの一つがこの東洋陶磁美術館に所蔵されています。
これも口縁部に銅製が施されています。
なんとなく重みというか、固い感じがしました。
力強いというのかな。


六つ目は、18世紀に景徳鎮で作られた写し。
そっくりさんです。
色合いは微妙に違います。


6点あったわけですが、
皆微妙に違う。
同じ青磁でも、青みの色が少しずつ違いますし、
きっと手触りや重みも異なるのでしょう。
当時の帝の詩が刻まれていたり、
それによって制作、所蔵のありかなどがわかり、
そのものの歴史も辿れるわけですが、
価値については、私は無頓着なので、
私的な感想だけにとどめておくことにします。

この6点を観たあとには、
大好きな童子型水滴ちゃんに会ってきました。
いつ観ても愛らしいです。


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