2017年3月29日水曜日

「私の履歴書」3月はジョー・プライスさん

日経新聞朝刊の定番、「私の履歴書」。
毎月書き手(話し手であろうと思いますが)が変わります。
この3月は、若冲のコレクションで著名なジョー・プライスさんでした。


2000年頃から若冲=ジョー・プライスという形で、
若冲の作品の再評価が高まってきました。
もちろん、私もメディアでそういう画家がいたことを始めて知りました。
まだ実物を観たことがありません。


とにかく現在では、若冲の人気は衰えることを知りません。
その若冲は長い間、日本で評価される機会がなかったようです。
ジョー・プライスさんがなぜ、若冲を始めとする江戸絵画のコレクターとなったのか、
不思議に思っていました。
ですので、今回の連載は初めからわくわくして読んでおりました。


恵まれた環境におられたこと、
良き伴侶に恵まれたこと、
コレクションの元となる財源を持っておられたこと、
など、条件は整っていたことは力であったでしょう。


その上に眼力を持っておられたのです。
誰の、いつの時代の、どこの国の作品かも知らず、
ただその作品の良さに惹かれて、買い求められた「葡萄図」。
それがきっかけであったそうです。


長い時間をかけ、
コレクションのあり方を考え、
美術館への働きかけをし、
もちろん、困難もかなりあったということですが、
コレクションの価値、意味を理解していたプライス夫妻は、
自分たちを信じて、行動されてきたのでした。


それが、今、里帰りの形をとって、
展覧会が催され、
被災地での癒しとなり、
私たち日本に暮らす人々も、コレクションを鑑賞できるようになりました。


それは、プライス夫妻の努力の賜物なのでした。
若冲を観るとき、プライスさんの名前は必ずや思い出されることでしょう。



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