日本ではなかなか観る事のできない17世紀頃の作品が展示されているとあって、
人ごみを覚悟で「ルーブル展」へ出かけました。
重厚で精密さ、神秘さを湛えた作品群に引き込まれるように、
見入りながら、足を進めました。
特に関心があったのは、ジョルジュ・ラ・トゥール「大工の聖ヨセフ」。
以前の展覧会を見逃していたので、ラ・トゥールを観るのは初めてでした。
暗闇の中に蝋燭の光が、世俗の苦しみに救いとして灯されていると想像していました。
目にしたのは、そんな勝手な想像を超える静謐さでした。
画面の中の彼らは世俗には属していません。
リアリティに描かれたヨセフは、イエスに全てを託した眼差しをしており、
イエスは幼子でありながら、この世を照らす役目を果たしています。
蝋燭の光はしっかりとした炎となって、苦しみの中の喜びを表しているようにも見えます。
絵画についても何の知識もないのですが、
絵を観る喜びは、心に訴えるものとの邂逅だと考えているので、
数少ない出会いを素直に受け止められれば、と思っています。
それが、理解への弊害になるのはいけないことですが。
他にも興味深い作品たちが並んでいましたが、
それらについてはまたの機会に。
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