“邸宅巡り”はユルスナールの出産を書いた“出産”の章に
続いて、母方の祖先について書かれた章です。
ド・カルティエ一族はリエージュ地方の非常に古い家門、
であったようです。
様々な公職に就いた人々も多かったようです。
18世紀頃についてまでの一族の歴史が数ページに渡って、
割かれていますが、ベルギーというより、
ヨーロッパの歴史に疎い者にはなかなか着いていくのがつらいところです。
著述は少しずつ範囲が狭められていき、
フレマルという18世紀に住まわれていた土地には、
ユルスナールも赴き、現代の姿の哀れさにまで、
話は及んでいきます。
一族の系図を手掛かりにしながら読み進んでいくと、
すぐにわかることなのに、今さらながらわかったのが、
母親の両親はいとこ同士なのです。
そしてその間には10人もの子供がいました。
そのことが詳しく書かれています。
祖父アルチュールと祖母マチルド。
マチルドが毎朝村の教会のミサに出かける場面は、
想像でしょうが、とても美しいシーンです。
スュアルレという場所に母親は10番目の子供として生まれました。
ユルスナールも母の兄弟、叔父たちと会っており、
その記憶が書き込まれています。
詳しい地図と一族の面々の肖像画、写真などがあれば、
どんなに助かるかと思われるほど、
多くの人々が登場し、頭の中は混乱するばかりです。
系図を見れば、ある程度限られていることに気づかされます。
ちょっとマップでも書いて整理してみたい気分です。
そんな山を乗り越えたところ、
祖母マチルドの死でこの章は幕を閉じます。
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