2011年7月27日水曜日

フェルメール

京都市美術館で開催中の「フェルメールからのラブレター展」を
観に行ってきました。

17世紀オランダの絵画でフェルメールと同時期に活躍した画家の作品が
多数出展されていました。

ほぼ全部が室内画で、生活をそのまま描いたもの、肖像画、
風刺画などテーマは様々です。
中心となっているのは、手紙や書物を読むことのできる人々の姿です。
当時のオランダの人々において識字率が高かったことがわかるのです。

フェルメールの作品は3点。
“手紙を書く女”“手紙を書く女と召使い”“手紙を読む青衣の女”
どの作品も緻密で、表情が豊かで、静謐さが滲み出ています。

フェルメールの作品はこれまでも10点ほど観る機会があり、
どの作品も息を飲むほどに美しいものばかりです。
特に精密さに関してはかなりの時間をかけて制作されたのだろうと、
想像できますから、残された作品の数が少ないのもそのためかと思われます。
全体の構成バランスの絶妙さ、光の取り入れ方の効果、
ディティールの正確な描写等に加え、モデルの存在感を引き出した暖かい眼差しに、
これほどの作品を鑑賞できるのは幸運としか言いようがありません。

昔の作品を観るたびに思うのは、生活様式の違いです。
昼間の太陽光と夜は蝋燭の光だけですし、
服装の違いも当然ながらも茫然とします。
科学も医療も食事も情報も全てが異なった現代の暮らし。
遠く隔てて、でも人の心は変わらないと思うのでした。

そして、この絵画鑑賞も本を読むために必要な勉強で、
これらが読むときにイメージとして結びつくよう願うのでした。

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