2013年9月14日土曜日

天使カシエルの死去

「ベルリン・天使の詩」で主人公ダミエルの親友カシエル役を演じた
オットー・ザンダーが逝去されました。

この映画が公開され話題になったのは、
もう20数年以上前のこと。

世界情勢も変わり、時代の移り変わりによって、
人間の慾するところも変化があるでしょう。
今この映画を観て当時の興奮を同じように味わえるかどうか、
なんともいいがたいところがあります。

ただ、映画としては、時代遅れになるかもしれませんが、
素晴らしい映像と脚本は古びることはないと思います。
とても格調高い作品です。

その中で地味ながら味わいのある天使カシエルが、
自分の理想に近いところにあったので、とても好ましく思っていました。
苦悩するカシエル。

続編の作品ではカシエルが主人公となりますが、
目も当てられない映画でありまして、
ときどき、ヴィム・ヴェンダースはこのような駄作を撮ってしまうことに、
残念でありました。

だから私の中のオットー・ザンダーは第一作の中のカシエルのままに
モノクロの天使の状態です。

実際のオットー・ザンダーは朗らかな明るい方だったと聞いています。
あちらの世で、多くの天使たちと再会しているでしょうか。

ご冥福をお祈りいたします。

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