2013年9月11日水曜日

「百年の孤独」補足②

先日ガルシア=マルケスの「百年の孤独」について、
少しだけ内容に触れましたが、
とてもはっきりとした特徴に触れることを忘れておりました。

南米の歴史を読み取ることができることは記しましたが、
その南米というのがキーポイントなのです。

とくにその風土。
他に南米の作家の作品を読んだことがないので、
それは当たり前のことかもしれませんが、
「百年の孤独」は南米の陽射しの元に書かれたと言っていいでしょう。

それに加え、マコンドは摩訶不思議な天候にも見舞われます。
理屈上ではファンタジー的なのでしょうが、
そうとも言い切れない魔力のようなものが感じられるのです。

そういった土台の上に物語は語られ、
さらには一体化していくのです。

小説の最後まで到達したときには、
自分の身体まで宙に浮いたような感覚に陥りました。
そうなのです、すぐには現実社会に戻ってくることができませんでした。
どーんと、遊離した状態になって、
早く現実に戻りたいと願うほどに、
この小説の世界はスケールが大きくて、
人間の原点を見せられたような恐ろしさを感じました。

このような感覚に陥ることは滅多とありません。
読書ではドストエフスキーと、
トーマス・マンを読んだ時くらい・・・でしょうか。
あまり覚えがありません。

それならば、バルガス=リョサやボルヘスなども読んでみると
いいのかもしれませんが、
「百年の孤独」の打撃が大きかっただけに、
返って他の南米の作家の本を読むことができずにいます。

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