「波」11月号をぱらぱらとしていたら、
河出書房新社の広告があり、
古井由吉自撰作品<全8巻>が紹介されていました。
6巻目の「仮往生伝試文」の解説は堀江敏幸さんとなっています。
少し前に古井さんと松浦寿輝さんの対談本を手にしたのですが、
この下流社会に生きる凡人にはさっぱりついていけなかったのです。
以来、いつか読むことができたら一人前と思っている作家が
古井さんというわけです。
堀江さんも関わってきているとなれば、
なおさらです。
堀江さんがこのところ関わりを公表しておられるのが幸田文。
ちょっと固く、すっきりとした文章ということくらいしか知識が無く、
偶然お孫さん(青木奈緒)の書くエッセイを読んだことがあるというくらいです。
「崩れ」にとてもこだわりを持っておられたらしいのですが、
その経緯もあまりよく知りません。
この線も辿ってみたいところです。
いくらがんばってみても読めない作家も数多くおり、
日本文学はかなりそれに該当しそうです。
夏目漱石の「草枕」はとても好きな作品ですが、
この今月の「波」の石原千秋さんによる読解を読むと、
どこまでわかっているのやら、怖い状態です。
なんだか好きな本だけを読んでほいほいと喜んでいる場合ではないような
気分になってきました。
それでも一生の間に読める本には限りがあります。
できるだけ精選して読んでいきたいものです。
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