2013年11月13日水曜日
「モンテ・クリスト伯」
「モンテ・クリスト伯」 アレクサンドル・デュマ著 山内義雄訳 岩波文庫
この作品はフランスで1845年ごろに書かれたものです。
よって至る所で古びた印象を受けることもあり、
冒頭でつまづいてしまう人もあるかもしれません。
内容は簡単に言ってしまえば、復讐劇です。
幸福の絶頂にあった主人公が奈落の底に落とされ、
辛苦をなめる十数年を送ります。
そこで奇跡のような出会いがあり、
主人公は再び力と神を信じる力を持って、
一般社会に復活するのです。
そこからがこの物語の主軸となる復讐劇です。
考えられないようなことが短期間に起こり、
こんなにうまくいくものかと思わないこともありませんが、
主人公は常に神を忘れることはありません。
自分との対話と神への言葉があり、
超人のような姿でありながら、人間としての自覚を持っています。
とはいっても悪人たちも常に神に祈っているのですが。
数人の悪事を働いた人物への復讐は、
様々な形を取り、周到で複雑な作戦を持って行われます。
もちろん、思いがけないことも起こったりします。
魅力的な人物も多数登場し、
主人公のみならず、その人物たちについてもしっかり書かれています。
どこを広げても、事件があり、懺悔があり、思念があり、感情が深く、
しっかり読ませる大作です。
ありえない話ではあるのですが、
人間って色んな人がいて、色々と考えるものだなぁと、感心したり、
登場人物のその後はどうなっただろうと想像してみたり、
当時一般社会に存在した神は今もいるのだろうか?と考えてみたり、
人間と神との関係とはどうなっているものか?と思ってみたり、
みたり、みたりの読書となりました。
単純にストーリーだけを追っても楽しい読書だと思います。
正義と神と人間のお話でありました。
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