2013年11月27日水曜日

「短編コレクションⅡ」


「短編コレクションⅡ」 池澤夏樹編集 河出書房新社

長い間ぽつりぽつり読んでいたこちらの短編集。
途中までご紹介していたかと思います。
ですが、あまり間隔が空いてしまったので、
紹介されている小説を一覧にしておきましょう。

おしゃべりな家の精 アレクサンドル・グリーン 
リゲーア ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ
ギンプルのてんねん イツホク・バシェヴィス
トロイの馬 レーモン・クノー
ねずみ ヴィトルド・ゴブローヴィチ
鯨 ポール・ガデンヌ
自殺 チェーザレ・パヴェーゼ
X町での一夜 ハインリヒ・ベル
あずまや ロジェ・グルニエ
犬 フリードリヒ・デュレンマット
同時に インゲボルグ・バッハマン
ローズは泣いた ウィリアム・トレヴァー
略奪結婚、あるいはエンドゥール人の謎 ファジル・イスカンデル
希望の海、復讐の帆 J・G・バラード
そり返った断崖 A・S・バイアット
芝居小屋 アントニオ・タブッキ
無料のラジオ サルマン・ルシュディ
日の暮れた村 カズオ・イシグロ
ランサローテ ミシェル・ウェルベック

バイアットは「抱擁」の作者で、知っている方には納得のいく凝った内容です。
タブッキは期待どおりの素晴らしい内容です。
サルマン・ルシュディはかつて身を追われて有名になった作家ですが、
これも批判的な精神が表れていると読みました。
カズオ・イシグロは実はとても苦手な作家のひとりでして、
何を読んでもかみ合わないのです。
こちらも悲しい溜息をついてしまいました。
ウェルベックは話題になった「素粒子」を読まれた方なら、
すぐに想像できるかと思います。
現代社会に一矢。

全体に充実した作家活動を成している人の作品ばかりで、
納得のいくバランスのよい本だと思います。
「短編コレクションⅠ」も読んでみたくなってきました。

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