「家守綺譚」 梨木香歩著 新潮文庫
梨木さんのファンはたくさんいらっしゃると思います。
上品なタッチで、情緒深く、自然を優しいまなざしで、そして一定の距離をおいて
描いておられ、その自然の持つ力を写しだす筆は、一品だと思われます。
この小説では、100年くらい前の京都のはずれの家が舞台となっていて、
ある縁で語り手が家守をすることになったことから始まっています。
心の豊かさとユーモラスな感覚とが織り交ざり、
神秘的な出来事さえも不思議と思われないなじみ深さが独特です。
意識的なのかもしれませんが、
人間の描写が一側面に偏っているのは、
ある意味残念です。
私の好みから外れてしまうので。
「西の魔女が死んだ」もそういった傾向がありました。
人間を射抜く目がプラスされれば、
さらにリアリティを持った作品になったかと思われます。
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