2016年1月10日日曜日

ジョルジョ・モランディ展

兵庫県立美術館で催されている
ジョルジョ・モランディ展に行ってきました。


阪神・岩屋駅から南へ数分、
海っぺりにそびえ立つ美術館は、
安藤忠雄氏の設計であります。
堂々たる建物。
が、いつもながらアプローチが悪く、無駄に歩かされ、
いらいらさせられます。
美術展は3階。
これもわかりにくく、行きにくく、
上がれば大きな階段から落ちそうな錯覚に陥ります。
そうです、この美術館は大変歩きにくいのです。


気を取り直して、モランディ。
静物画を数多く残しており、その作風は落ち着いたたたずまいで、
一度は目にされたことがあるのではないでしょうか。
今回出かけたのは、少しは知っているものの、
全体像がわかるかもしれないと思ったのでした。


風景画も無いわけではありませんが、
大半はいつもの壜とカップなどを中心とした静物画で、
同じものを対象にした作品も多い。
年代別にみると、タッチが変わっていたり、
作品によっては、光の当たり方が変わっていたり、
とマイナーな変化はありますが、
基本姿勢は変わらず、静かなやわらかい色の絵が並んでいます。
イタリア・ボローニャではこのような優しい光が射すのでしょうか。
激動の時代を生きたはずなのに、
ずっと落ち着いた絵ばかりです。


変わらない持続性というのが、モランディの精神にあったのでしょうか。
もっときちんと調べてみればわかるのでしょうが、
同じように静けさの漂う静物画を描き続けた理由が、
気になるところです。
どこかほっとする、それでいて緊張感もきちんとある、
普遍性のある静物画なのでした。

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