去る11月20日、アイルランド出身の作家 ウィリアム・トレヴァーさんが
天に召されました。
日本でも短編集が編まれ、
秘かな人気があったということですが、
88歳という御歳で、
お住まいのイギリス・デヴォン州の自宅で亡くなられたそうです。
私が読んだことがあるのは、
「聖母の贈り物」だけですが、
その独自の世界観が十分に味わえたと感じました。
人生の・・・なんというのかな、
人生って不条理でもありますね、
喜びだけでなく、そういった側面を、
生活の中に溶け込ませて描いた作品が主でした。
なので、
じんわりと泣かされる、といった風で、
辛さが身に沁みることを他人事に感じられない作風です。
もう少し大人になったら、
他の作品も読んでみたいな、
と思ったものです。
大人というのは、精神的に、という意味で。
「青い野を歩く」を書いたクレア・キーガンという作家がいますが、
よく似た作風に感じました。
悲しいのは、自分だけで十分、
せめて本の中では、幸福感を味わいたい、
というのが私の読書のスタンスです。
悲しみが世界に溢れている。
どうしてでしょう。
誰もが辛いことの方が多い人生です。
ささやかな幸せが多くの人に訪れることを祈るばかりです。
合掌
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