クリストファー・プリースト「魔法」を読んでいて襲われた感覚は、
ヴァージニア・ウルフを読もうとしているときに
感じるものとよく似ていました。
ウルフの作品で最初に読んだのは「灯台へ」。
これは大変好きな作品で、お気に入りの一冊です。
翻訳違いでも読むようにしていますが、
なんら問題も無く、いつも充実した読後感が残ります。
この後、ウルフについて書かれた評論や、
伝記などを2,3冊読みました。
精神の病いに大変苦しみ、
死を選んだとありました。
しばらくして「波」を読んだ時です。
なんだか、頭の中の空気が抜けていくように感じます。
次に「ダロウェイ夫人」を読み出したのですが、
意識に沿ってその対象が移るに従って、
頭の中の空気が断片化し、
散り散りになり、崩壊していくような、
頭痛が襲ってきました。
続いて「オーランドー」。
文章を目にするだけで、
同じような感覚に襲われます。
心理描写という情景が流れるように変化していく時、
ついていけないのです。
それからというもの、
ウルフは好きな作家であり、
どういう作品を書き、
どのような作家であるか、
頭の中で位置づけはできているつもりではいるものの、
作品を読めないでままでいます。
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