2009年9月11日金曜日

ヴァージニア・ウルフが読めない

クリストファー・プリースト「魔法」を読んでいて襲われた感覚は、
ヴァージニア・ウルフを読もうとしているときに
感じるものとよく似ていました。

ウルフの作品で最初に読んだのは「灯台へ」。
これは大変好きな作品で、お気に入りの一冊です。
翻訳違いでも読むようにしていますが、
なんら問題も無く、いつも充実した読後感が残ります。

この後、ウルフについて書かれた評論や、
伝記などを2,3冊読みました。
精神の病いに大変苦しみ、
死を選んだとありました。

しばらくして「波」を読んだ時です。
なんだか、頭の中の空気が抜けていくように感じます。
次に「ダロウェイ夫人」を読み出したのですが、
意識に沿ってその対象が移るに従って、
頭の中の空気が断片化し、
散り散りになり、崩壊していくような、
頭痛が襲ってきました。

続いて「オーランドー」。
文章を目にするだけで、
同じような感覚に襲われます。
心理描写という情景が流れるように変化していく時、
ついていけないのです。

それからというもの、
ウルフは好きな作家であり、
どういう作品を書き、
どのような作家であるか、
頭の中で位置づけはできているつもりではいるものの、
作品を読めないでままでいます。

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