「正弦曲線」 堀江敏幸著 中央公論新社
サイン、コサイン、タンジェント・・・と始まるこの本に、
いつもの堀江さんより、理系より?と焦らされました。
いえいえ、ここから正弦曲線へ展開し、
ご自身の話に結び付けていくのも、
堀江さんにとってはお手の物。
さりげなく話しを始めながら、
どこへ行くのかと着いていくと、
思いもかけない心の渦に巻き取られ、
最後には“ぽん”と据えられる、という感じが
いつもします。
その心の渦に入りこんだ時、
どこかで音が鳴るのです。
柔らかく、心地よい音色が“ぽーん”と
体の中に響き渡ります。
何の音だか、
どこで鳴っているのかわからないのですが、
何かが反応しています。
それが明らかになれば、
少しは進歩があるのでしょうが、
そのまま余韻を楽しむのも、
一考かと。
具体的に本や、音楽の話など、
教えられることも多いので、
多様に実りのある読書です。
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