「象が踏んでも 回送電車Ⅳ」 堀江敏幸著 中央公論新社
堀江さんがあちらこちらに書いた文章をまとめたシリーズの
4冊目です。
今回は冒頭に堀江さんの詩「象が踏んでも」で始まります。
詩についてはパスさせていただいて。
最初の一章は比較的読みやすい身近な事柄を取り上げたエッセイが中心です。
読むのが2回目のものも多くあり、
一つずつゆっくり楽しみました。
「純粋状態の白熊」については、以前このブログでも取り上げさせていただきましたが、
(2009.10.21付)
やはり何度読んでも心に訴える内容です。
他には「真夜中の庭に、ひとつの助詞を」で「トムは真夜中の庭で」について
ほぼ解説に近い内容の文章となっているのに参ってしまいました。
素朴な感覚で言えば、「濁りの朝」がとても好きです。
心当たりあり、というところでしょうか。
二章目からは少しずつ難解になり、
知識の無い話題が多いために難儀でありました。
大学入学前にモーリヤック漬けになったなんて、茫然としてしまいます。
こんな40代の人間が読んでも頭を痛めているというのに。
話題は「万葉集」からジャン・ルノワールに及び、
終章の写真のエッセイに関しては、正直にいうと全く付いていくことができませんでした。
こういった豊かな知識と謙虚な好奇心を持って生き、
自分なりの考えにまとめて、文章にできる。
一目つつましやかな方ですが、人には汲み出しきれないくらいの深さがあるのだと、
堀江さんにはいつも茫然とさせられてしまいます。
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