「木を植えた男」 ジャン・ジオノ著 村松定史・梅比良眞史訳 第三書房
「木を植えた男」という絵本があることと、
ジャン・ジオノという作家がいることは知ってはいたものの、
よくわからずにこの年齢まで来てしまいました。
書店のフランス語学習のコーナーでこの対訳本を見つけて、
読んでみることにしました。
フランス語は難しそうで、いくら解説がついているとはいえ、
お手上げです。で、日本語訳の部分のページを繰ってみます。
タイトルで基本的なことは想像できますが、
思っていたよりもスケールの大きな話で驚きました。
そして文章もがっちりと堅牢なたたずまいで、
実直さがまさに本当の話のように感じさせられました。
そう、これは可能な話なのだと思わせるのです。
無為の行いを数十年も一人で続けた男こそ立派なのですが、
それに応えた木の生命力の素晴らしさが物語を完成させます。
自然の破壊力をまざまざと知らされた私たちですが、
生命力の見事さも自然のものです。
人間と自然との共存はいつまでも追い求められる理想でしょう。
経済活動と自然保全との調和がいつの日か見られたらと思うのでした。
作者のジャン・ジオノについては確か載っていたはず、と、
「作家の家」 西村書店 を取り出して読んでみました。
南プロヴァンスを生涯愛し、離れることがなかった作家とあります。
岩波文庫で処女作の「丘」が出ているので、
チェックしてみましょう。
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