「空間の旅・時間の旅」 マルグリット・ユルスナール著
お休みしていたユルスナールを再び読み始めました。
「時、この偉大なる彫刻家」
「高貴なる敗北」
前者はギリシア彫刻が辿った様相の変化について
書かれたもので、ギリシア彫刻について詳しい人には、
納得のいくものかと思われます。
詳しいどころか、無知の者には少々つらいところです。
たどたどしく想像をめぐらせながら読みました。
後者は日本人にとっては馴染みの深い話です。
コロンビア大学教授であったアイヴァン・モリスの「高貴なる敗北」の
書評で、しめくくりには、
“失われた大義のために死を選んだ人びと”としての日本人の死が
西欧にも見られるということが述べられています。
そういう批判部分もありますが、
文章の大半部分を占める日本人の“高貴なる敗北”についての理解は
大変深いものであり、ユルスナールならではと思いつつ、
モリスの著書がその基本にあるということが、
興味深く感じられます。
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