2013年8月28日水曜日

「百年の孤独」


「百年の孤独」 ガブリエル・ガルシア=マルケス著 鼓直訳 新潮社

コロンビア出身の作家による1967年に書かれた南米のマコンドという村を舞台とした、
この小説、本好きの人で知らぬ人は無いかと思います。

ノーベル賞の受賞や、
少し前に新潮社から全集が出ているのも、
南米作家のブームを決定づけるものであったでしょう。

20数年前に読んだのは改訳前のものでしたが、
あまり覚えていないので、
ほとんど初読といっていい状態でした。

この改訳版がでたときには、
表紙のレメディオス・バロに惹かれて買っておいたのです。
内容とはちょっと違いますが。

さて、どこからお話をしていいのやら、
さっぱりわからないというのが実情です。

ストーリーを知っていても、
この本の力強さは伝わらない。
登場人物がわかれば、
少しはマコンドの歴史が少しはわかり、
百年の時の流れを知ることができるかもしれない。

でもそれだけではないのです。
物語として存在するその不思議な力も大きく働いているのです。
 

舞台が南米であるということも、
地理的なことや、歴史や文化などにも、大きな影響が見られます。

百年の間に様々なことが起こります。
マコンドが作られてからしばらくののち、
内戦が起こり、マコンドも巻き込まれていきます。
内戦が落ち着いたら、次は西洋主体の資本主義がマコンドを襲います。
マコンドは大変な歴史の渦に巻き込まれていくのです。
それが、どういうことを指しているのかは、
本文の中であきらかにされていきます。
そういった歴史的観点から読むのもよいかとおもいます。

でも単なる物語として読んでもとても面白い。
そして面白いだけでなく、
人間という生き物の不思議さも書き込まれていて、
一族という流れも含め、
人間ってこういう生き物なのだなって思い知らされるところがあります。
そういう意味では、他の地を舞台にした「百年の孤独」がありえるかもしれない。
そう思わせる、誠に不思議な作品です。

登場人物それぞれに、
はっきりとした役割が与えられていて、
その個性がまた豊かで興味深いのです。

マコンドの創設者ホセ・アルカディオ・ブエンディア、
一族に影響を与えたメルキアデス、
100歳以上生きたウルスラ、
世界中を旅したホセ・アルカディオ、
アウレリャノ・ブエンディア大佐、
トランプ占い師ピラル・テルネラ、
悲しいと土を食べるレベーカ、
薄幸の少女レメディオス、
影は薄いが、家庭を支えるサンタ・ソフィア、
またしてもアルカディオ、アウレリャノ・ホセ
アウレリャノが17人・・・これで半分くらい。

マコンドで何が起こっているのか、知りたくなってきませんか?

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