8月16日に木田元さんが逝去されました。
ハイデガーの研究や、メルロ=ポンティの翻訳など、
哲学者としての道を歩まれた方でした。
偶然に「闇屋になりそこねた哲学者」という本を手に取って、
木田さんの本をいくつか読むことがありました。
戦中・戦後と大変苦労をされた後に、東北大学に進まれた、
そのあたりを詳しく回想されています。
この本は、現在ちくま文庫に入っています。
軽い気持ちで「ハイデガーの思想」岩波新書を読んでみたのですが、
ええ、もちろん私には無理難題でございました。
その上、ハイデガーの思想のどこが魅力なのか、
さっぱりわからないままに終わってしまったのです。
その後もハイデガーと「存在と時間」とは、
全く相いれない関係にあります。
確か、ドストエフスキーを読まれ⇒キルケゴールに関心を持たれ⇒
ハイデガーに至られたと思います。
戦後、どうやって生きていくか、物理的にも精神的にも悩まれた方は
たくさんいらしたでしょう。
急に指針が無くなってしまったのですから。
その中で、自分にとって意味のある思想を見出されたというところが、
まず大切です。
読書においては、そういった大切な出会いがあったりしますが、
そこから先も山あり谷ありで、自分で切り開いていかねばなりません。
と、わかっていながらできない私。
もう一度木田さんの本を読んで、
一歩ずつ進んでいく大切さを学ぶところから始めなければならないようです。
これからも木田さんの著書・訳書は、
皆に読み継がれていくことと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
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