ルネサンス期のフィオレンツァ、
コシモ・デ・メディチからロレンツォ・デ・メディチの時代へ、
ボッティチェルリと語り手フェデリゴを取り巻くイタリアの豊かな街の姿。
主人公達はまだ若く、
ボッティチェルリも独立して工房を持ったばかり。
これから本筋に入っていくところです。
ですが、
この続きを読むのを断念いたします。
内容は大変面白く、
文章も麗しいのですが、
求めているものがもう一つ足りなく感じるのです。
「背教者ユリアヌス」を読んだときにも思っていたのですが、
情感がもう一息伝わってこないのです。
絵画を硝子越しに見ているような感じがします。
ずいぶん悩んだ末、残念ではありますが、
辻邦生さんの小説を味わう喜びを得られずに終わることになります。
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