2015年7月22日水曜日

「九年前の祈り」について書けません

今日は一日中雨模様。
何をするというわけでもないですが、
時間だけはゆっくりと流れていきました。


ここにUPしたい本の筆頭に「九年前の祈り」 小野正嗣著 が
あります。 
もう半年も経つので、いい加減考えのまとまりがあってもよさそうなもの。
でも、すごく難しいのです。
主人公のこと、母と子、子供の症状、地方を舞台にしていること、
外国人の元同棲相手、外国旅行であった出来事とのつながり。
人と気持のつながりについて、主人公の家族、
生々しいリアルさ、地方の方言、
柔らかな文体、思考、豊かさ、優しさ、神聖さ、
なんだか一杯考えることがあって、絞り込めません。


簡単によい作品、と言い切れないところが、
私の中にはあるのです。
だから、素晴らしい、と言えたらいいのですが。


地方を舞台にした作品は、とても苦手で、いつも敬遠しています。
それだけに、複雑です。


小野さんの作品はどこか暗いところがあって、
心の奥底にはそういう森のような場所がある気にさせられます。
この短編集には、そういった作品もあるのですが、
芥川賞を受賞した作品にはそういった暗さがあまり感じられません。
それも、またよい部分だと思われます。


心中でまとまりをもたないまま、
この作品は残り続けそうな気がします。
きっと今後においても、小野さんの傑作のひとつに挙げられるでしょう。

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