「何者」 朝井リョウ著 新潮文庫
これまで朝井リョウさんの本を2冊読んでおりますが、
この本は直木賞を受賞された作品であることと、
就活について書かれた本だということで、
興味をおぼえ、読んでみました。
まず驚くべきは、ケータイを使いこなす若者たち。
SNSやブログでのコミュニケーションは、
私のような世代がアナログ人間であることを、
痛感させます。
現在では、LINEもありますから、さらに変化しているでしょう。
でも人間自体は何も変わってはいないのです。
社会に出るための関門となる就職活動。
それは若者にとっては、過酷な試練です。
かつて私もその洗礼を受けましたが、
プラスになることは何一つありませんでした。
感じたことは、企業は人を活用しているのではなく、
利用しているのだ、ということでした。
この物語では、就職活動をとおして、
自分はいったいどういう人間なのかを問うています。
誠実そうな主人公だけれど、
やはり他人のことが気になり、
自己アピールせねば、消え失せてしまいそうになる。
就職活動では、委縮してしまい、本来の自分が出せない。
いったい、どうすればよいのだろう?
という、学生たちが皆悩むであろう課題を取り上げています。
少々過激と思われる展開ではありますが、
学生たちの気持ちは十分に伝わるかと思います。
就職したのちにも、そういった悩みは無くなるわけではありません。
自分とはいったい何者であるか?
それは、人の一生の悩みかもしれません。
早く解脱したいなぁ。
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